何だか一気に夏がやってきた気がします。
ちょっと前まで「大雨だ」「台風が2つ連続で来る」と雨の話題ばかりでしたが、西日本では梅雨明けが発表され、東日本もそう遠くないうちに梅雨明けとなりそうです。
4月から5月前半にかけては真夏のような暑い日もありましたが、その後の5月後半から6月は曇りや雨の日も多く、比較的過ごしやすい気温が続いていました。そのため、身体が暑さに慣れていく「暑熱順化」が十分に進まないまま、本格的な夏を迎えてしまったように感じます。
そこへ大型で非常に強い台風9号が南から暖かい空気を運び込み、一気に真夏の空気へ。九州ではすでに37℃を超える地域もあり、「まだ7月なのに…」という暑さになっています。
暑さは作業効率を確実に落とす
この暑さになると、建設現場では「頑張れば何とかなる」という話では済みません。
身体が暑さに慣れていないこともありますが、高温環境では集中力が低下し、細かな作業の精度も落ちます。水分補給や休憩の回数も自然と増え、結果として1日に進められる作業量はどうしても減ってしまいます。
もちろん最近は「職場における熱中症対策の義務化」もあり、現場には冷蔵庫やスポットクーラー、冷風機などが設置されるケースも増えてきました。
以前と比べれば作業環境は確実に改善しています。
しかし、それ以上のスピードで日本の夏が暑くなっているようにも感じます。
設備が充実しても、炎天下での作業そのものが楽になるわけではありません。
工期にも”夏仕様”が必要かもしれない
最近思うのは、真夏だけでも工期を1割くらい長めに設定する考え方が必要なのではないかということです。
昔と同じ感覚で工程を組むと、「予定通り終わらない」「休憩時間が削られる」「無理をして熱中症になる」といった悪循環が生まれてしまいます。
もちろん工期が延びればコストは上がります。
ですが、人が倒れてしまったり事故が起きたりすることを考えれば、そのコストは必要経費とも言えるでしょう。
一番暑い時間帯に働かない工夫
理想を言えば、一番暑い昼の時間帯を避けて作業できる環境づくりです。
例えば、
・早朝から作業できる現場
・夕方から日没後まで作業できる現場
・休憩時間を長く取り、昼の猛暑を避ける工程
こういった働き方ができれば、職人さんの身体への負担はかなり軽減されます。
しかし現実には住宅街では騒音の問題もあり、朝早くや夜遅くの作業は簡単にはできません。
だからこそ、日頃から近隣住民との関係づくりも重要になります。
普段から挨拶を徹底し、現場をきれいに保ち、「この現場なら協力してもいい」と思っていただける関係性を築いておくことが、結果として作業時間の柔軟性につながる場面もあるでしょう。
工事は建物を造るだけでなく、人との信頼関係を築く仕事でもあるのだと改めて感じます。
暑熱順化も仕事の一部
現場での対策だけでなく、自分自身の身体づくりも重要です。
暑熱順化とは、汗をかきながら身体が暑さに慣れていくことですが、今年は比較的涼しい日が続いたため、例年以上に暑さへ身体が対応できていない人も多いように感じます。
さらに今年はサッカーワールドカップが開催されていることもあり、私もそうですが、いつもより早起きしたり寝不足になったりしている人も少なくないでしょう。
睡眠不足は熱中症のリスクを高めると言われています。
「今日は少し眠いけど頑張ろう」
そんな日ほど注意が必要です。
お酒の飲み過ぎも同じです。
深酒をすると睡眠の質が下がり、水分も不足しやすくなるため、翌日の体調に大きく影響します。
夏場だけは少し控えめにするくらいがちょうど良いのかもしれません。
帰宅後の身体のケアも大切
仕事が終わったから終わりではありません。
帰宅してからも身体に熱がこもったままだと疲労が抜けにくく、翌日の仕事にも影響します。
最近は「夜はエアコンをつけっぱなしで寝る方が健康的」という考え方も一般的になってきました。
無理に暑さを我慢するよりも、しっかり身体の熱を逃がし、質の良い睡眠を取ることが翌日のパフォーマンスにつながります。
水分補給だけでなく、食事で塩分やミネラルを補給し、十分な睡眠を取ることも熱中症対策の一つです。
暑い夏をみんなで乗り切りましょう
これから先、まだ7月が始まったばかりです。
おそらく本格的な猛暑はこれからでしょう。
現場では工程通りに進めたい気持ちもありますが、無理をして体調を崩してしまっては元も子もありません。
発注者、現場監督、職人さん、そして近隣の皆さん。
それぞれが少しずつ理解し合いながら、「夏は少し時間が掛かるもの」という考え方が広がれば、安全で質の高い工事にもつながると思います。
今年の夏もかなり厳しい暑さになりそうですが、しっかり食べて、しっかり寝て、しっかり休む。
暑さとうまく付き合いながら、この夏を元気に乗り切っていきましょう。