新年初仕事から2週間が終わり、3週目に突入しました。
そんな今日の月曜日。
「何か仕事ください」
そんな電話が、職人さんから3件ほど入ってきました。
最初の1週目は年始のあいさつ回りもありますし、現場も本格稼働していないところが多い。
2週目に入れば、そろそろどこか仕事を振ってくれるだろうという“期待感”で待つ。
そして3週目に入ったところで、
「もう待ってられない」
と、動き出したという話をそれぞれから聞きました。
個人事業主の職人さんが多い業界構造
日頃から書いていますが、クロス屋さんをはじめとする内装仕上げ工事の職人さんは、個人事業主として活動している人が非常に多い業界です。
個人でやった方が、
- 売上や額面が大きく見える
- 稼げるイメージがある
- 経費で落とせる範囲が広い
といった理由から、「稼ぎたいから独立」という流れが王道になっています。
実際、忙しい時期であれば個人事業主の方が収入は大きくなりやすい。
ですが――問題は仕事が減ったタイミングです。
仕事が少ないとき、最初に外れるのは誰か
企業側から見ると、仕事が少ない時に優先的に現場を回すのは社員職人です。
仕事量が減れば、社員だけで現場が埋まってしまい、個人事業主に依頼する場面は真っ先に減ります。
個人事業主の職人さんは複数の会社に出入りしていますが、
どの会社も同じように仕事が少なくなれば、一斉に出番が無くなる。
結果として、
「どこに聞いても仕事が無い」
という状態になります。
日当の差だけでは測れない「安定」の価値
例えば、
- 個人事業主:日当3万円
- 会社員:日当換算で1万円
だけを見ると、個人事業主の方が圧倒的に有利に見えます。
ですが、会社員は仕事が無くても一定の給料が保証され、
退職すれば退職金や失業給付があり、厚生年金にも加入しています。
条件次第ではボーナスもあります。
一方、個人事業主は、
- 仕事が無ければ収入ゼロ
- 国民年金・国民健康保険は全額自己負担
- 税金(所得税・住民税・消費税)は売上に応じて増加
月25日働いて日当4万円なら年収1200万円、という計算は確かに可能です。
しかしそこから社会保険料や税金を引くと、年間400万円前後は何かしら納めているケースも珍しくありません。
建設業における「雇用の調整弁」
製造業では派遣社員が雇用の調整弁になってきましたが、
建設業ではその役割を個人事業主の職人が担ってきたと言えます。
会社に属さず自由に働ける反面、
- 協調性が求められない
- 法律に縛られない
- 好きなだけ働ける
というメリットの裏で、景気変動の影響を最初に受ける立場でもあります。
結局、生き残るのはどんな職人か
「仕事を切らさず、安定して稼げる環境」を作るには、
- どこでも通用するコミュニケーション能力
- 優先的に呼ばれる施工能力
- 現場の要望に応えられる対応力
これらが不可欠です。
ここまで求められるなら、
「会社員でも良かったんじゃないかな…」
と思ってしまうのも正直なところです。
若い人が現場に来なくなった理由
建設業は材料費が高騰しても、
なかなか人件費にまで反映できない構造が続いています。
その結果、
- 一見儲かりそうに見える職人さんが、実は儲からない
- 会社員では最初から高賃金を提示できない
- 若い世代が現場に入ってこない
という悪循環が生まれています。
経験を積み、成果を出さなければ賃金が上がらない業界構造。
このままでは本当にヤバい。
何とか変えていかないといけない時期に来ている――
年明け早々、そんな現実を突きつけられた出来事でした。