東京都のやり方がなんか嫌だ

昨年の夏に引き続き、今年の夏も東京都が「水道代金無料」という施策を実施するという報道を目にしました。
理由としては、「酷暑の東京において冷房を最大限活用してもらうため、水道代を補填することで生活コストの負担を軽減する」というものだそうです。

猛暑対策として経済的負担を下げる。
この一点だけを切り取れば、確かに一見すると良い政策に見えます。

しかし、この施策を見ていて、どうしても引っかかる部分があります。


東京都は「お金」はあるが「資源」はない

東京都は財政的に見れば、日本の中でも群を抜いて豊かな自治体です。
規模で言えば、小さな一国に匹敵すると言われるほどの財政力があります。

一方で、資源という観点では非常に乏しい地域でもあります。

今回の水道代無料の話で言えば、東京都自身が持つ水源はごくわずかです。
都が使っている水の多くは、群馬・埼玉・栃木といった周辺地域の水源やダムに支えられています。


無料化が招く「負担の分散」

水源地には一定の積雪がありますが、近年は温暖化の影響もあり、雪解け水は減少傾向。
雨量も安定せず、慢性的に水不足が懸念される状況です。

そんな中で、東京都が「無料だから気兼ねなく使ってください」という施策を打つ。
その結果、水不足が起きた場合、影響を受けるのは東京都だけではありません。

水源地である周辺県、同じ水系を使う他の自治体にも影響が及びます。
しかし、そのときの負担を東京都だけが全面的に引き受けるかと言えば、そうではありません。

負の影響は広域で共有されるのに、施策の恩恵は東京都だけが受ける。
この構図に、どうしても違和感を覚えてしまいます。


電気・食料も同じ構図

これは水道に限った話ではありません。

電力についても、東京都内で完結している発電はごく一部。
多摩川の水力発電などはありますが、電源の多くは他県に依存しています。

福島の原発問題は、その象徴的な例でしょう。
「電気は使うが、リスクは外に置く」という構図は、これまで何度も問題になってきました。

食料も同じです。
東京都は日本最大の消費地であり、全国からあらゆるものが集まってきます。
良いものが集まるのは事実ですが、その前提には常に
「対価は払っているから問題ない」というスタンスがあります。


「お金で解決できること」と「責任の所在」

確かに、首都としての役割、巨大消費地としての役割を考えれば、
お金を払って経済を回すこと自体を否定するつもりはありません。

ただ、気になるのはその姿勢です。

  • 利点はお金で解決
  • 不利な部分、リスク、負担はみんなで共有

このバランスが、東京都の施策全体を見ていると偏っているように感じるのです。


東京都だからこそ出来る「還付」という考え方

もし東京都が、
「水道代を無料にします」という施策を行うのであれば、
同時に水源地域や周辺自治体への還付・支援策もセットで設計されるべきではないでしょうか。

例えば、

  • 水源地自治体への直接的な財政還元
  • インフラ維持費への継続的な拠出
  • 渇水時の補償ルールの明文化

こうした仕組みがあって初めて、「広域で成り立つ行政サービス」だと言えると思います。


なんでも集まる東京だからこそ

東京には、人も、情報も、知恵も集まっています。
だからこそ、単に「お金を出す」だけではなく、
負の側面も含めた仕組みづくりに目を向けられるはずです。

東京都は、日本の首都です。
その立場だからこそ、周辺地域とどう共存し、どう還元していくのか。

「無料にしました」で終わらない、
もう一歩踏み込んだ行政設計を期待したいところです。

投稿者: クロス

約20年のインテリア(内装工事)の実績から、住宅購入者のお悩み解決できたらいいなと思いサイトを立ち上げました。 これから住宅を購入検討されてる方へのアドバイスや、賃貸物件でのお役立ち情報も出せたらいいなと思っています。最近プライベートな記事も多いですが

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