年末年始は、できれば仕事のことは忘れて、少しゆっくり過ごしたい。
そう思っていたのですが、気が付けば目に入ってくるニュースは、やはり仕事に関係するものばかりでした。
最近よく見かけたのは、
- 「ユニクロの柳井会長ブチ切れで店長解雇」
- 「人員削減で大規模に早期退職募集」
- 「人材の配置転換で業態改善」
- 「出来る人材でも退職しても会社は何とかなる」
といった、人事や働き方に関する記事です。
読んでいて強く感じたのは、
「それって大企業だから言える話だよね」
という違和感でした。
「出来る人が辞めても会社は回る」は本当か?
例えば「出来る人材でも退職しても会社は何とかなる」という話。
うちの会社の規模で考えてみると、
営業4人で売上構成はおおよそ、
- 1.5億
- 1億
- 7,500万
- 7,500万
合計で約4億円です。
仮に7,500万クラスの人が辞めた場合でも、
残り3人で割れば1人あたり約2,500万の負担増。
正直かなりキツいですが、「頑張れば何とかなるかもしれない」ラインです。
ですが、1.5億の人が抜けたらどうでしょう。
1人あたり約5,000万の負担増。
7,500万クラスの人にとっては1.7倍以上の仕事量になります。
これはもう「ちょっと頑張る」では済みません。
一方で、大企業ならどうでしょう。
仮に100人規模で同じような比率だったとしても、
1人辞めても負担増は1~2%程度。
75%増と2%増。
同じ「退職」でも、重みがまったく違います。
「ブチ切れ解雇」も成立するのは大企業だから
話題になった「ユニクロの柳井会長ブチ切れで店長解雇」というニュース。
(※ 柳井正)
これも小規模事業に置き換えると、かなり現実離れしています。
小規模事業で会長や社長が「もう無理だ」と思う案件があったとしても、
簡単に「解雇」なんてできません。
なぜなら、
- 代わりがいない
- 代わりがいないどころか、残った人の負担が急増する
- 現場や取引先への影響が即座に出る
というリスクが一気に襲ってくるからです。
感情的にスパッと切れるのは、
組織に厚みがあるからこそ出来る判断なんですよね。
配置転換・早期退職も「前提条件」が違う
- 人材の配置転換で業態改善
- 人員削減で大規模に早期退職募集
こうした言葉もよく見かけます。
ですが、小規模事業では、
- 配置転換する「別部署」がそもそも無い
- 転換して化ける人材が常にいるわけではない
- 人が余るほど受注が落ちたら、そもそも会社が危ない
という状況がほとんどです。
これらは「やる・やらない」の話以前に、
選択肢として存在しないケースが多いんですよね。
なぜ記事は「大企業目線」ばかりなのか
年収の記事、働き方改革の記事、人事制度の記事。
多くは、
- 労働人口の約30%と言われる大企業従事者
- 約300万人の公務員
にフォーカスされています。
一方、労働人口の約70%を占める中小企業従事者は、
なかなか主役になりません。
結果として、
- 環境も待遇も恵まれた層の事例が「正解」として語られ
- 中小企業では真似しづらい、再現性の低い対処法が
「良い方法」「できる方法」として紹介される
そんな構図が出来上がっているように感じます。
本当に必要なのは「中小企業目線」のリアル
本来であれば、
人数が多い側=中小企業向けの記事の方が、
よほど実用性は高いはずです。
ですが実際は、
「全体を底上げしたいのか、それとも上だけを見ているのか」
そんな疑問を感じる記事が中心になっています。
私は、
- 小規模事業だからこそ出来る工夫
- 小規模事業だからこそ抱える現実的な制約
- それでも前に進くための考え方
こういった部分を、実体験ベースで発信していきたいと思っています。
表に出にくい中小企業の話こそ、
同じ立場の人にとっては一番「使える情報」だと思うので。
年末にそんなことを改めて考えさせられた、
「大企業と小規模事業の差」を強く実感した年末でした。