レモン彗星が肉眼でも確認できるかもしれない――そんなニュースが流れ始めてから、もう10日ほど。
天体観測が好きな私は、関連する記事を片っ端からクリックしていたせいか、SNSのタイムラインもニュースアプリも“彗星だらけ”になっていました。
見えるタイミングとしては「日没後1時間くらい」「西の空20度あたり」という情報が多いのですが……未だに発見できていません。
私の住んでいるのは、以前から書いている通り、星空観測にはもってこいの田舎。西の空に大きな街もなく、人工の光もほとんどありません。
それなのに一向に見えないということは、西側の山が思ったより高いのか?それとも単純に方角を間違っているのか?
まぁ、最大の理由は天候でしょうね。
ここ10日間ほどは「西の空だけ雲がある」という微妙な天気が続いていて、北斗七星や北極星はハッキリ見えるのに、西側だけ霞がかかったように曇ることも多いんです。
観測できる期間は11月の第1週までとされているようなので、あと少し。
次にこのレモン彗星が地球に近づくのはおよそ1100年後。
――もう完全に“人類では見れない次回”ですね。冷凍保存でもされない限り、これがラストチャンス。
そう思うと、多少の雲でも隙間を狙って探したくなります。
■もうひとつの「そろそろ」現象
そして、もうひとつ気になっているのがかんむり座T星の新星爆発。
昨年の秋ごろから「そろそろ見えるぞ」と話題になっていますが、まだその瞬間は訪れていません。
周期的にはおよそ80年に一度の現象だそうで、前回を考えると確かに“そろそろ”でもおかしくない。
ただ、宇宙の「そろそろ」は、人間の“そろそろ”とはスケールが違います。
数十年どころか、数百年の誤差があることも珍しくない世界。
かつて話題になったベテルギウスの超新星爆発も「近い将来起こる」と言われ続けていますが、その“近い”の範囲が500年以内というんですから、人間の感覚ではもう笑うしかありません。
■宇宙スケールの「気長さ」を楽しむ
天体ショーというのは、本当に気まぐれで気長な世界です。
数十年に一度の彗星、数百年に一度の新星爆発、数千年に一度の奇跡。
それらを「たまたま今、生きている間に見られるかもしれない」というだけで、なんだかロマンがありますよね。
せっかくなので、次の1100年後に思いを馳せつつ、今日も空を見上げてみようと思います。
きっと雲の向こうでは、緑色の尾を引いた彗星が静かに通り過ぎている――そう信じながら。