近年、建設現場でよく耳にするようになったクレームがあります。
「土日祝は休みなんだから仕事するな!」
「早朝や夜中に作業するなんて非常識だ!」
確かに住んでいる方からすれば生活リズムを乱されることもありますし、騒音や振動はできるだけ避けたいお気持ちは理解できます。ですが、この「仕事する時間」の基準は、実は人それぞれ、業種ごとにまったく違うものなんです。
休みや勤務時間は業種によって違う
例えば、床屋さんは月曜日がお休み、不動産屋さんは水曜日がお休み。スーパーは日曜日も営業していますし、テーマパークではナイトパレードが夜遅くまで行われています。
それを見て「日曜日に営業するなんて非常識だ!」とクレームを入れる人はいるでしょうか?
救急車が夜中にサイレンを鳴らして走っていたら「うるさいから止めろ」と言いますか?
要は「自分にとって休みの日だから」「夜中だから」という基準を他人に押し付けてしまっているだけで、社会全体で見れば多種多様な働き方が存在しているのです。
建設業は調整しながら仕事をしている
もちろん、建設会社も無神経に作業をしているわけではありません。
「音が出る作業は昼間にまとめる」
「通学時間帯には資材の搬入を避ける」
など、近隣への配慮は常にしています。
しかし「そこに居るだけでクレーム」というレベルになってくると、もはや合理性を欠いた感情的な反応であり、現場側からすれば理不尽に感じるのも正直なところです。
クレームのしわ寄せは誰にいくのか
さらに見落とされがちなのは、クレームを言われた建設会社が「はい、分かりました」と言ってすべてを従うと、その影響を受けるのは最終的にお施主様だという点です。
・工期を短縮するために突貫工事になり、仕上がりに影響が出る
・予定外の作業調整で追加費用が発生する
こういったしわ寄せは、結局「クレームを言った人の近隣に住むお施主様」に返ってきます。つまり善意のつもりの声かけが、実はお施主様を困らせる結果になることも少なくないのです。
「常識」は人によって違う
結局のところ、「土日祝は休み」「夜中は静かで当然」というのは一つの考え方に過ぎません。
社会には交代勤務の方もいれば、夜勤専門の方もいます。物流は24時間動いていますし、飲食業も観光業も「日曜休み」とは限りません。
ですからクレームを入れる前に、ほんの少し立ち止まって考えてみていただきたいのです。
**「自分の常識は、世間の常識ではないかもしれない」**と。
建設会社としても近隣の方々とできる限り良い関係を築きたいのは当然のことです。だからこそ、本当に必要な声には耳を傾けます。ただ、「自分基準」での一方的なクレームは、結果的に地域全体にとって損失を生むこともあるのです。
👉 「休みの日に仕事するなんておかしい!」と感じたときは、ぜひ一度その背景を考えてみてください。社会全体が様々な働き方で支え合っているからこそ、私たちの生活が成り立っているのです。