先日から、1年目の新入社員君に「見積りや請求での値段」の話を頻繁に伝えている最中です。
「値段・単価」を付けていくためには、仕入れの価格や職人さんの工賃、必要な資材、交通経費など様々な仕入れ原価を調べないといけません。
それと共に、会社での事務所や倉庫、社員の給料、光熱費や車の経費など固定費として掛かるものから年間の売り上げを想定して、会社として必要な利益を計算して乗せて販売単価を決める必要があります。
そういった事を諸々考えた時に、内装屋さんの単価というのはどこの会社にしてもそんなに大差の無い金額になってくると思います。
違うとすれば、年間の仕入れ量による材料仕入れ価格の差・仕事量や内容による施工単価の差・自社の利益をどれだけ増やすかの差という部分だけでしょう。
差別化をしようと思った時には、何か付加価値が欲しいところですが他業種に比べて目に見えるところが出しにくかったりします。
どこで買っても同じようなハンバーガーでは、マクドナルドの「スマイル0円」なんてのはわかりやすいキャッチコピーですし付加価値ですよね。
ハウスメーカーでも力士が出てきたりで耐震性という付加価値をアピールしたりしていますし、付加価値を直接価格に反映できる部分にもなります。
実際口に入る食品などの業態では、「美味しい」という分かりやすい価値があるので表面的に違いを生みやすいです。
では内装工事での違いを探してみましょう。
まずは目に見えやすいとこでは「職人さんの施工品質」というところです。
しかしこれにも落とし穴がありまして、内装の仕上げ部分だけ100%良かったとしても、下地の段階が0点でしたらどれだけ頑張っても仕上りが100%になる事はありません。
その為に施工開始前に「どれだけ下地の品質が確保できているか確認して修繕していく」というのが付加価値として「監督さんに対しては」見えやすくなりますよね。
また、前工程の作業というのも人間がする作業になりますので、工程が前後することは沢山あります。天候での作業の遅れ・風邪などの病気・インフルエンザやコロナのような拡大防止の為の出勤停止・怪我などたくさんの要因があります。そこを勘案して予備日を設けた工程ですと、「順調に行き過ぎて現場が空くので入れない?」なんて相談をされる事もあります。
そういった現場の都合に合わせた段取りが出来るのも付加価値になり得ますが、これも価値をアピールできる相手が「現場監督に対して」になってしまいます。
他にも家というのは全く動きの無いものではないので、コーキングのキレや下地の割れなんてもの起こりますのでそれに早めに対応していく事も「アフター対応の社員さんに」価値として提案しやすいところ。
しかしこの辺りはどれも新規の業者や一般の方には分かりにくいし、現場をこなしてみないと分からないところだったりします。
逆に職人さんの質を下げて、単価も下げて「目に見えやすい価格を価値にする」という、私から見れば品質下げて仕事取られても困る会社もあります。実際金額が安ければどこでも良いという企業もあるのが事実。それをされるとどうしてもやりたい現場があった時に値段安く持って行くと品質が悪いのでは?と逆に敬遠されることもあります。
業界全体が一定の品質を確保することも大事です。分かりにくい付加価値のこの現状を何とかしていきたいもんですね。
うちももう少し+α何かの要因を持って単価を上げていきたいですね。


