最近ゲームをしていると、ちょこちょこ出てくる広告があります。
「AIトレード」
AIが自動で取引してくれて、最初は数千円入れるだけ。難しい設定も必要なく、誰でも簡単に利益を出せる。
そんな感じの広告です。
AIも流行っている。投資も流行っている。
その二つを組み合わせたら、そりゃ興味を持つ人も多いでしょう。
でも私、こういう広告を見るたびに思うんですよ。
これ、ホントに大丈夫?
「簡単に始められる」が逆に気になる
もちろん、広告に出てきたサービスへ実際に登録したわけではありません。
ですので、そのサービス自体を「詐欺だ」と断定するつもりはありません。
本当にきちんとしたサービスなのかもしれません。
ただ、投資を扱うサービスである以上、事業者はどこなのか、必要な登録を受けているのか、実際に資金を預ける先はどこなのかなど、確認しなければならないことはいろいろあります。
普通に証券会社やFX会社で口座を開設しようと思えば、本人確認も必要です。
それなのに広告では、
「数千円から!」
「設定不要!」
「AIにおまかせ!」
「初心者でも簡単!」
そんな言葉ばかりが前面に出てくる。
簡単の先に、何か罠があるんじゃないの?
どうしてもそんな目で見てしまいます。
「最初に儲かる」から安全とは限らない
投資詐欺で怖いのが、最初から全部デタラメとは限らないことです。
むしろ最初のうちは、
「おっ、本当に利益出てるじゃん!」
と思わせた方が都合がいい。
例えば最初に1万円入れて、画面上では1万2千円になった。
試しに2千円出金してみたら、本当に自分の銀行口座へ振り込まれた。
ここまでやられたら、
「ちゃんと出金できるじゃん」
「これなら10万円入れても大丈夫そう」
「いや、100万円入れたらもっと儲かるんじゃね?」
となる人が出てきても不思議ではありません。
実際、警察庁が紹介しているSNS型投資詐欺の手口にも、偽の利益を表示したうえで、その一部を少額だけ被害者へ振り込んで信用させる方法があります。
つまり、
「利益が表示された」=本当に運用されている
でもなければ、
「一度出金できた」=安全な業者
とも限らないわけです。
ここが怖い。
AIなら、もっともらしい説明はいくらでも出来る
さらに今回のような「AIトレード」なら、値動きについても説明を作りやすそうです。
例えば世間では株価が大きく下落している。
ところが自分のAIトレード画面では利益が出ている。
普通なら、
「おかしくね?」
と思うところです。
でも、
「AIが下落を予測して売りから入ったため利益になりました」
なんて表示されたらどうでしょう。
「さすがAI!」
って思っちゃう人もいるでしょう。
FXでも株でも、上昇局面だけで利益を出すわけではありません。仕組みによっては下落局面でも利益を狙えます。
だからこそ、投資について詳しくない人に対しては「AIが最適な売買をしました」と言われてしまえば、もっともらしく聞こえてしまう。
本当にAIが売買しているのか。
そもそも本当に市場で取引されているのか。
利用者側から画面を見ているだけでは分からない可能性があります。
数字を画面に表示するだけなら、それは「利益」ではなく単なる数字です。
個人情報を渡すこともリスク
そして私がもう一つ気になるのが、これ。
お金を取られなかったらセーフなのか?
ということです。
仮に初回特典でもらったポイントだけで取引して、2,000円利益が出て、それを出金できた。
「よっしゃ!2,000円儲かった!もうやめよ!」
これなら金銭的にはプラスです。
でも出金するには銀行口座の情報が必要になるでしょうし、登録時には氏名や電話番号、メールアドレスなどを入力しているかもしれません。
もし相手が悪質な業者だったら?
「この人は投資広告をクリックして登録する人」
という情報そのものに価値が出てきます。
さらに一度でも入金していれば、
「投資話にお金を出す可能性がある人」
という情報にもなります。
それが別の勧誘などに利用されない保証はありません。
だから私は、怪しい投資サービスについては、
「入金しなければ大丈夫」ではなく、「登録して大丈夫なのか?」から考えた方がいい
と思っています。
本物と詐欺をどう見分ける?
じゃあ、どうやって判断するのか。
少なくとも私は、広告の言葉だけでは判断しない方がいいと思います。
運営会社はどこなのか。
会社の所在地は確認できるのか。
金融商品を扱うなら必要な登録を受けているのか。
金融庁など公的機関の情報と照合できるのか。
入金先がなぜか個人名義の銀行口座になっていないか。
「必ず儲かる」「元本保証」「AIだから負けない」など、投資ではあり得ないようなことを言っていないか。
そして何より、
「簡単に儲かりそうだから、とりあえず登録してみよう」
をやらないこと。
金融庁もSNS上の投資詐欺が疑われる広告について注意喚起していますし、警察庁の2026年上半期の統計では、SNS型投資詐欺だけで被害額は約798億円。
半年で約800億円です。
しかも1件あたりの被害額もかなり大きい。
それだけ「そんなの誰が引っかかるんだよ」という単純な手口ばかりではないのでしょう。
詐欺する側だって「怪しまれない方法」を考えている
投資詐欺というと、
「絶対儲かります!100万円振り込んでください!」
みたいな、見るからに怪しいものを想像しがちです。
でも、そんなものはみんな警戒する。
詐欺をする側だって、それは分かっています。
だから最初は数千円。
実際に利益が出たように見せる。
少額なら出金もさせる。
利用者から質問されたら、それっぽい説明を返す。
「もっと入金しろ!」ではなく、
「運用額を増やすと効率が上がりますよ」
くらいの言い方をする。
そうやって少しずつ信用させていく方が、よほど引っかかりやすいでしょう。
「一度出金できたから本物」
「半年使えているから本物」
「実際に利益が出ているから本物」
そうとも限らないのが怖いところです。
詐欺だったとしたら、相手の目的は最初の1万円ではなく、その先の10万円、100万円、1000万円なのかもしれません。
投資ブーム×AIブームだからこそ気を付けたい
私は投資そのものを否定するつもりはありません。
むしろ自分自身でも投資やトレードをします。
AIを使った投資サービスだって、これから本当に便利なものがどんどん出てくるでしょう。
だから「AIトレード=詐欺」ではありません。
問題なのは、
「AIだから簡単」
「AIだから勝てる」
「知識がなくてもお金を入れるだけ」
という言葉だけを信じてしまうことです。
AIもブーム。
投資もブーム。
そこへ「簡単に儲かる」をくっつけたら、そりゃ魅力的に見えます。
でも投資の世界で、
簡単・安全・高利益
が全部揃っているものなんて、そうそうありません。
今回私のゲームに表示されているAIトレードの広告が本物なのか、悪質なものなのか。
私は登録していないので分かりません。
だから詐欺だとも言いません。
ただ、
「疑わしきは近づかず」
私はこれでいいと思っています。
本当に良い投資サービスなら、運営会社や登録状況、仕組みを調べて、納得してから始めても遅くありません。
数千円を失うことより怖いのは、その数千円をきっかけに信用してしまうこと。
そしてお金だけではなく、自分の個人情報まで怪しい相手へ渡してしまうことです。
「AIがやってくれるから大丈夫!」
ではなく、
そのAIをやっている「人間と会社」は大丈夫?
登録ボタンを押す前に、まずそこから調べたいもんですね。