今週の半ば、高市総理が「来年春から消費税を1%減税する」と大々的に打ち出しました。
減税の話になると、必ずと言っていいほど出てくるのが
「その財源はどうするんだ?」
という議論です。
減税には賛成でも、「財源が無いなら結局どこかで増税されるだけでは?」という不安を持つ人も多いでしょう。
ですが、もしかするとその財源は、もう確保できてしまったのかもしれません。
もちろん正式にそう発表されたわけではありません。今回は私なりの見方として読んでいただければと思います。
昨晩、為替市場ではわずか1時間ほどで163円台から158円を割り込むところまで、一気に円高方向へ動きました。
現時点では政府・日銀から「為替介入を実施した」という正式な発表はありません。
しかし、この急激な値動きを見る限り、市場では「介入が入った可能性が高い」と受け止められているようです。
今回のタイミングにも、介入しやすい理由はいくつかありました。
まず、消費税減税は一般的に円安要因と受け止められやすく、その流れを抑える必要があったこと。
さらにFOMC終了後で大きなイベントは一段落し、日銀金融政策決定会合も「政策変更なし」が大方の予想でした。
このような状況では円安方向へ動きやすいため、その前後で介入するのは十分考えられるタイミングだったとも言えます。
そして何より、今回は市場参加者があまり警戒していないタイミングでした。
前回は「そろそろ介入するだろう」と市場全体が身構えていたため、介入後も「どうせ戻る」と見られ、短期間で元の水準近くまで戻ってしまいました。
その反省も踏まえるなら、今回はあえてサプライズ的に仕掛けた方が効果は大きかったのかもしれません。
市場では、昨晩だけでもかなり大規模な介入だったのではないかという見方も出ています。
もし仮に約9兆円規模の介入だったとすれば、その原資の多くは何年も前、1ドル100円以下だった頃に積み上げた外貨準備である可能性があります。
そう考えると、元本を除いた含み益や実現益だけでも数兆円規模になっていても不思議ではありません。
さらに今日も、日銀総裁会見後に介入を思わせるような急な値動きが見られました。
こちらも仮に追加介入だったとすれば、その利益も積み上がります。
そうなると、昨晩と今日を合わせるだけで、消費税1%減税に必要と言われる約5兆円規模の財源に近い金額を確保できた可能性も考えられます。
もちろん、政府が「介入益を減税財源に使います」と言ったわけではありません。
そもそも介入自体も現時点では正式発表されていません。
ですが、お金には名前が書いてあるわけではありません。
例えば介入によって得られた利益を熊本地震の復旧・復興支援など別の用途に充てたとしても、その分だけ一般財源に余裕が生まれます。
結果として、別の予算を減税財源へ回すこともできます。
どのお金がどこへ使われたのかを厳密に区別することは、実際には難しい部分もあります。
そう考えると、「介入益が間接的に減税を支える」という見方も、決して荒唐無稽ではないのではないでしょうか。
もちろん、これは現時点では私の推測です。
正式な説明が無い以上、断定はできません。
ただ、「財源が無い」と言われていた話が、一気に現実味を帯びてきたようにも感じています。
そして、FXをやっている立場として一番気になるのはここからです。
「まだ追加介入はあるのか?」
私個人の予想では、もし今回の介入の目的の一つが利益確保や市場への強いメッセージだったのであれば、一旦は役目を果たした可能性があります。
そのため、今回で一区切りになるのではないかと思っています。
もっとも、相場はすでに介入前に近い水準まで戻しつつあります。
そうなると、「もう一度やるのでは?」という期待も市場には残るでしょう。
FXをしている身としては、もう一段円高方向へ押してくれた方が次の戦略も立てやすいので、少し期待してしまう自分もいます。
さて、本当に今回で終わるのか、それとも再びサプライズ介入があるのか。
そして消費税1%減税は、本当に来春実現するのか。
今後の為替相場と政府の動きに注目していきたいと思います。