今年はナフサ不足による副資材の品薄や、相次ぐ値上げの話題ばかり書いていたので、すっかり忘れていました。
そういえば毎年この時期は、本業である内装業界では壁紙カタログの改訂シーズンです。
メーカーによって時期は多少違いますが、サンゲツやリリカラなど主要メーカーは6月に新しいカタログへ切り替わることが多く、気が付けば事務所の棚には新しい見本帳が並んでいました。
今回届いたのは、
- サンゲツ「FINE」
- リリカラ「BASE」
- リリカラ「WILL」
の3冊。



忙しさもあって、「いつ届いたんだろう?」と思うくらい自然に棚へ収まっていました。
一番気になったのは「定価」
毎回カタログが改訂されると、新柄や廃番商品のチェックももちろん行います。
しかし今回、一番気になったのはデザインではなく価格です。
今年は各メーカーとも何度も値上げを行い、「また値上げ」という話題ばかりでした。
当然、新しいカタログでは定価表示も見直されるのだろうと思っていました。
ところが開いてみると、
1,090円/㎡
という表示はこれまでと変わっていません。
「あれだけ値上げしたのに、ここは変わらないんだ。」
というのが最初の感想でした。
FINEは価格帯の違う商品も増えた印象
今回もう一つ気になったのが、サンゲツのFINEです。
以前から高価格帯の商品は掲載されていましたが、主に後半の掲示板用クロスやトリムなど、ある程度まとまったページに掲載されていました。
ところが今回は、前半から特殊な商品が混ざっています。
普段の感覚で品番だけを追っていると、
「いつもの量産価格だと思って見積したら実は違った」
ということも起こりそうです。
施工店としては、今まで以上に価格区分を確認しながら見積りを作る必要がありそうですね。
「定価を変えてほしい」という声は以前から多かった
内装業者の間では以前から、
「もうカタログの定価が現実と合っていない」
という声が多く聞かれていました。
メーカー価格は何度も改定され、仕入れ価格は大きく上昇しています。
しかしカタログ上の定価は据え置き。
そのため元請会社、不動産会社、施工店と何段階も経由すると、利益を積み重ねた結果として、最終的には「定価を超えてしまうのでは?」というくらい原価との差が広がってきています。
10年前であれば、ここまで気にするような話ではありませんでした。
しかしここ数年の値上げペースは、それまでとは比べ物にならないほど急激です。
現場では「定価」という基準そのものが、現実とかけ離れ始めているようにも感じています。
なぜ簡単に定価を変えられないのか
実は定価を変更できない理由もあるそうです。
公共工事では、材料価格などを基準にAA・A・Bといったランク分けを行う場面があります。
もし定価だけを大きく引き上げてしまえば、
「今までAAだった商品がBランクになってしまう」
といったことも起こり得ます。
そうなると公共工事だけでなく、見積書や積算基準にも影響が出てしまいます。
単純に価格だけ変更すれば済む話ではなく、業界全体のルールも一緒に見直さなければいけないという事情があるようです。
水面下では動き始めているらしい
そんな中、最近入ってきた情報では、
メーカー各社も本格的に定価改訂へ向けた検討を始めている
との話も耳にしています。
もちろん正式発表ではありませんし、実際にいつ実施されるのかも分かりません。
しかし、これだけ原材料価格や物流費、人件費が上昇している状況を見ると、今のままという訳にはいかないでしょう。
価格改定だけでなく、公共工事のランク付けや積算基準なども含めて、業界全体で整理していく方向になるのではないかと思っています。
ただ一方で、メーカー同士が足並みを揃えて価格の話を進めると、以前話題になった価格カルテルのような問題を心配する声が出てこないかという、全く関係ないところまで少し気になってしまいます。
しばらくは動向を注視
今回は「新しいカタログが届きました」というお知らせだけで終わる話ではありません。
今後、定価そのものが見直される可能性も出てきました。
もし本当に改訂されることになれば、内装業界だけでなく、ハウスメーカーや工務店、設計事務所、そして住宅購入を考えている方にも少なからず影響が出てくるでしょう。
新しい柄を見るのも楽しみですが、それ以上に**「定価がいつ変わるのか」**が気になる時代になってきたように感じています。