私もそうですが、最近の建設業界は
「材料が出ない」「値上げになる」
この話題でもちきりです。
どこの現場に行っても同じ話。
どこの業者と話しても同じ内容。
正直、下請けの私たちですら少し疲れてきています。
しかし、もっと疲れている人たちがいます。
それが――
元請けの監督さんです。
下請け各社からは
「材料が入らない」
「値上げになります」
「納期が読めません」
という連絡が次々に入ります。
そしてその一方で、お客さんからは
「うちの工事は大丈夫?」
「予定通り完成するの?」
「追加費用は出るの?」
と、これまた似たような問い合わせが続きます。
さらに社内からは
「予算内で収まるように調整してこい」
「お客さんから追加をもらうならちゃんと説明してこい」
という指示が降ってくる。
つまり監督さんは
上からも
下からも
お客さんからも
全部の矢面に立たされているわけです。
そうなると当然、こういう反応になります。
「アンタもか」
「知ってるよ。値上げでしょ」
「もう聞き飽きたよ」
これは怒っているわけでも、冷たいわけでもありません。
もう出来ることは全部やっている
という状態だからです。
実際に現場では
- 早めの材料手配
- 代替品の検討
- 工程の前倒し
- 在庫の確保
- 価格交渉
と、考えられる対策はすでに一通りやっています。
それでもどうにもならない。
それが今の状況です。
最近は監督さんの口から、こんな言葉を聞くことも増えてきました。
「もう出来る確保策は全部取ってるよ」
この一言に、すべてが詰まっています。
努力していないわけではない。
むしろ、これ以上やりようがないところまでやっている。
それでも問題が解決しない。
だから疲れる。
そして、少しずつ感情が削られていく。
私も今回、値上げの案内をする際に
「一応言わないといけないので…すいません。値上げです」
それだけで話を終わらせました。
説明を省いたわけではありません。
もう説明しなくても分かっているからです。
お互いに。
早いうちに案内するのも大変です。
しかし、後発になればなるほどもっと言いにくくなります。
だからみんな
分かっていても、言わないといけない
という状態で動いています。
そして、もう一つ気になることがあります。
それは
会社の体力差がはっきり出始めていること
です。
- 値上げを吸収できる会社
- 資金繰りに余裕がある会社
- 在庫を持てる会社
こういった企業はまだ耐えられます。
しかし
- 利益率が低い
- 価格転嫁ができない
- 現金が少ない
こういう会社は、これから本当に厳しくなるでしょう。
監督さんの苦悩は、まだしばらく続くと思います。
そしてその裏では
静かに体力を削られていく企業も増えていくはずです。
早期に状況が落ち着くことを願うしかありませんが、
現場にいる立場としては――
「もう少し続きそうだな」
そんな感覚を持っています。