昨年、一昨年あたりから
「新卒初任給40万円」
というニュースが大きく取り上げられていました。
その後の話として、
若いうちから年収1000万円を超えるような若手も出てきている
という報道も目にするようになりました。
一方で、40歳オーバーの年代になってくると
「若手の方が賃金が多い」
「若手と変わらない」
といった不満の声が増えているという話もよく見かけます。
確かに、
長年働いてきたベテランの立場からすれば、
何もできない新卒がいきなり高い給料をもらっているのを見れば
面白くないのは当然でしょう。
でもここで疑問が出てきます。
そこまで不満があるのであれば、
辞めて転職すればいいじゃないか?
と思う人も多いはずです。
ところが実際には
文句は出るけど辞めない。
この状況には、ちゃんと理由があります。
「新卒40万」を出しているのは大企業
まず前提として、
報道されている「新卒40万円」などを出している会社は
基本的に大企業です。
そして
「若手の賃金が多いことに不満がある人」
というのも、
ほとんどが大企業に勤めている人になります。
大企業というのは、
若手を確保するために賃金を上げると同時に、
ベテランにもそれなりの賃金を払っています。
ですから
多少不満があったとしても、
- 転職しても今より条件が良くなるとは限らない
- 下手をすれば給料が下がる
- 福利厚生や安定性が落ちる
こういったリスクを考えると
「まぁ今のままでいいか」
となる人が多いわけです。
つまり
辞めない理由がちゃんとある
ということです。
中小企業は逆のリスクを抱えている
一方で中小企業の立場は、かなり厳しいものがあります。
中小企業というのは
基本的に少数精鋭で回しているところが多いです。
そこに
若手の給料だけ大きく上げて人を呼び込もうとすると
何が起こるか。
ベテラン側が不満を持ちます。
そして中小企業の場合、
ベテランが辞めてしまうと
本当に会社が回らなくなる可能性があります。
- 技術を持っているのはベテラン
- 現場を回しているのもベテラン
- お客さんとの信頼関係を作っているのもベテラン
この状態で
ベテランが抜けてしまえば、
若手だけ残っても立ち行かない。
だからこそ中小企業では
成果を出しているベテランに賃金を出すことが優先
になります。
結果として
- 若手に高い給料を出す余力がない
- 若手の採用が難しくなる
という構造が出来上がります。
若手でも「入る会社」で人生が変わる
最近は
若手の中でも格差が広がっています。
同じ年齢でも
- 大企業に入った人
- 中小企業に入った人
この違いだけで
初任給も、その後の昇給も、
まったく違うものになります。
さらに言えば、
- 大企業は人材確保のために賃金を上げ続ける
- 中小企業は実績を積まないとそこまで上げられない
という流れは今後も続くでしょう。
つまり
若手の中でも「会社ガチャ」の影響が非常に大きくなっている
ということです。
努力や能力だけではどうにもならない部分が
確実に増えてきています。
一番割を食っているのは就職氷河期世代
この話の中で
一番厳しい立場に置かれているのが
就職氷河期世代
だと思います。
- 就職の入り口が極端に狭かった
- 正社員になれなかった人も多い
- 賃上げの恩恵を受けにくい
- 年齢的に転職も難しくなってきている
そして今は
- 若手は賃上げされる
- 超ベテランはある程度守られる
この間に挟まれているのが
まさにこの世代です。
企業から見ても
- 若手は将来性がある
- 超ベテランは実績がある
このどちらにも当てはまりにくい。どちらかと言えばベテラン側ですが、
結果として
一番評価されにくい世代
になってしまっているのが現実です。
それでも辞める若手、辞めない若手
面白いのはここです。
- 給料が高くても辞める若手がいる
- 給料が安くても続けている若手がいる
この違いは何か。
結局のところ
- 人間関係
- 仕事のやりがい
- 成長実感
- 将来の見通し
こういった要素が大きいのだと思います。
お金は大事です。
でもそれだけでは人は動きません。
逆に言えば
お金だけで人を引き留めることも出来ない
ということです。
中小企業は「同じ土俵」で戦わない方がいい
ここから先は
経営側や現場側の立場としての話になります。
大企業が若手に高い給料を出しているからといって
同じことをしようとしても
中小企業では無理があります。
体力が違います。
だからこそ大事なのは
同じ土俵で戦わないこと
だと思います。
- 技術を磨く
- 信頼を積み重ねる
- 柔軟に動ける体制を作る
- 小回りの利く仕事をする
こういった部分で価値を出していくしかありません。
これは建設業でも、
どの業界でも同じでしょう。
自分の立ち位置を考える時代
これからは
- 若手だから安心
- 大企業だから安心
- ベテランだから安心
こういった時代ではなくなってきています。
どこにいても
自分の立ち位置を理解して動く
これが一番大事になってくると思います。
会社に守られるだけではなく
自分自身が価値を持っているかどうか。
それが問われる時代になってきましたね。