イラン情勢を始めとする中東情勢の悪化から、原油由来の各種製品が値上りしています。
既に建設業においても、塗料の値上げや断熱材の値上げなどの話が現場レベルでも届き始めています。
内装仕上げ材の多くは、原油から生成されるナフサを原料とした製品です。
つまり、ナフサ価格が高騰している状況であれば、各社が値上げに動くのはある意味当然の流れ。
そこで今回は、
**「中東情勢由来のメーカー各社の対応状況」**を、
私自身が確認した範囲で整理してお伝えします。
まずは「値上げ発表があったメーカー」
タジマ
私ら内装仕上げ業においては、
床材を中心とした商品でお世話になるメーカーですが、
外装関連でも防水シートなど他業種にわたる商品を展開されているメーカーさんだけあって、
対応はかなり早めでした。
4月1日の情報として、ホームページ上で値上げが正式発表。
- 実施時期:5月21日より
- 値上げ幅:10%~30%
- 対象:防水関連製品中心(詳細は今後)
現時点ではどの商品がどの程度上がるのかはまだ不透明ですが、
案内文中には
「長尺塩ビシート」
という記載もありましたので、
内装業者に直接関係する商品にも波及するのは時間の問題だと思われます。
次は「値上げせざるを得ないが様子見」のメーカー
ここからは、
「供給や価格の見直しの可能性はあるが、まだ正式発表はしていない」
という段階のメーカーになります。
サンゲツ
3月24日に
商品供給への懸念に関する案内がホームページ上に掲載されています。
ただし現時点では
- 値上げ
- 供給制限
いずれについても具体的な内容は通知されていません。
現状は
「状況を見極めている段階」
という印象です。
東リ
3月25日に同様のお知らせが出ています。
内容としては
- 今後1~2カ月は供給体制に問題なし
- その間に情勢が沈静化すれば良い
という、比較的落ち着いたトーン。
つまり
短期的には問題なし
長期化した場合は未定
というスタンスです。
シンコール
3月26日にお知らせあり。
内容としては
- 供給数の調整
- 供給制約
- 価格見直しの可能性
ここまで踏み込んで書かれており、
現時点ではまだ実施されていないものの、
「準備はしている」
というニュアンスが強い印象です。
ロンシール
3月26日にお知らせあり。
内容としてはサンゲツとほぼ同様。
- 現時点では具体対応なし
- 情勢次第で判断
という形でした。
リリカラ
こちらも3月26日に案内あり。
内容としては
「供給や価格について検討する可能性」
という表現に留まっており、
具体的な施策はまだ示されていません。
タキロン
3月27日に案内あり。
これまでのメーカーの中では、
最も緊迫感のある内容でした。
- 原材料調達の不安
- 供給維持の難しさ
- 価格改定の必要性
このあたりがかなりはっきり書かれており、
「値上げは時間の問題」
という印象です。
ルノン
4月1日に案内が出ています。
ただし、
先のメーカーと比較すると内容はやや簡素。
後発の情報であっただけに、
もう少し具体的な見通しを示して欲しかった
というのが正直なところです。
目に入るところに「お知らせが見えないメーカー」
ここからは
現時点で明確な動きが確認できないメーカーになります。
トキワ
ホームページを確認した限りでは、
お知らせが見当たりません。
最後のTOPICSが
年末年始休業のお知らせ
となっていましたので、
もともとホームページでの情報発信頻度が少ない可能性もあります。
アスワン
4月1日時点では
社内人事のお知らせのみ
でした。
私は以前、
ファブリーズ関連のカーテンやカーペットを紹介したこともありますので、
しっかり情報発信してほしいところです。
川島織物
私自身の取り扱い機会が少ないメーカーでもありますが、
ホームページ上では特段の案内は確認できませんでした。
窓回りメーカー
- タチカワブラインド
- ニチベイ
- TOSO
などの窓回りメーカーについては、
現時点では大きな動きは確認できていません。
現状の整理(重要)
ここまでの状況をまとめると
今すぐ供給が止まる状況ではない
という点は共通しています。
理由としては
- 既に製造済みの在庫がある
- 原材料も一定量の備蓄がある
- 生産ラインが止まっているわけではない
このあたりになります。
ただし問題はここから。
一番怖いのは「時間」
今回の問題は
短期ではなく長期化する可能性がある
という点です。
そして建設業の特性として、
今見積している案件は
実際に施工するのが4カ月~半年先
というケースが非常に多い。
つまり
今は値上げされていなくても
使う頃には値上げされている
という事態が普通に起こります。
見積り実務で起きる現実
ここが一番重要です。
原材料由来の値上げは
予測が極めて難しい
という特徴があります。
ですので現場では、
いくら努力して見積りを作っても
「見積価格では売れません」
という状況が発生します。
これは
- 元請けが悪い
- 下請けが悪い
- 顧客が悪い
という話ではなく、
原材料が原因
です。
今後の見通し(実務者目線)
かなり厳しい話になりますが、
現時点での私の見立てとしては
ゴールデンウイーク前後で
大きな価格改定が来る可能性が高い
と考えています。
しかも今回は
10%とか20%では済まない可能性
があります。
極端な話ですが、
50%近い値上げ
このレベルのシナリオも、
現時点では否定できません。
最後に
一番困るのは
- 契約した顧客
- そこに対応する元請け
- 実際に施工する下請け
この全員です。
しかし現実として、
このような状況では
値上げは待ったなし
です。
問題は
誰が悪いか
ではなく
どう乗り切るか
です。
もしこの状況が長期化すれば、
- 材料不足
- 工期遅延
- 価格高騰
- 需要減少
このすべてが同時に起こり、
建設業の冷え込み
という形で表面化する可能性もあります。
正直なところ、
これが一番怖いですね。