ここ1,2カ月。
幾度かのプラン変更をしながら見積りをしているお客さんがいます。
最初に見積りしたのは1月頃。
その時にはやりたいことが多すぎて、予算をはるかにオーバーしてしまっていました。
「やりたいことを減らして再プランにしましょう」
ということで、2月に再度見積り。
それでも予算ギリギリ。
リフォームというのは、解体してみないと分からない部分も多くありますし、予期せぬ追加費用が発生する可能性もあります。
ですので、見積り段階ではある程度の余裕を持っておく必要があるという話になり、再度プランを変更。
そして3月に再見積り。
さらに微修正したいところがあるとのことで、昨日、最終?と思われる見積りを提出したところです。
今回の見積りには、これまでに無かった一文を入れました
それがこちら。
「中東情勢の推移により、見積り通りの工事が出来ない可能性があります」
ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、
今の状況では決して大げさではありません。
現在の価格で工事するためには、
現在の価格で仕入れが出来る環境
が必要になります。
しかし、今の様子を見る限り
仕入れ価格の上昇は待ったなし
という雰囲気です。
既に他業種では値上げが決まっているものもあります
内装仕上げ材に関しては、まだ静かな方です。
ですが、他業種では既に値上げが決定しているものもあります。
例えば
- 塗料
- 断熱材
- 防水材
- 電設資材
- 建材全般
こういったものは、原油由来の材料を多く使っています。
原油価格が上がれば、
当然ながら材料価格も上がる。
そしてそれだけでは終わりません。
値上がるのは材料だけではありません
現場に関わる人すべてに影響があります。
- 監督
- 営業
- 職人
- 運搬業者
この人たちが現場に来るためには
車で移動します。
つまり、燃料価格が上がれば
その費用は必ず工事価格に反映されます。
さらに
- ゴミ袋
- 廃棄物処理費
- 運搬費
- 諸経費
こういったものも、
燃料価格や人件費の影響を直接受けます。
ですから
どの業種もこれまで通りの見積り金額で、という訳にはいかなくなってくる
というのが現実です。
下手をすると、こういうことも起きます
プランを削って
削って
削って
ようやく出来た最小限のプラン。
なのに
当初の豪華プランより高くなる
そんなことも、これからは普通に起こり得ます。
理由はシンプルです。
インフレは「確実に」進んでいます
ここ10年くらい、
経済はずっと
年率2%程度のインフレ
を目標に進んできました。
単純に言えば
- 1年前より2%高くなる
- 10年前より約20%以上高くなる
ということです。
これは理論でも予測でもなく、
既に起きている現実です。
そこに今回のような
中東情勢による原油問題
が重なると、
インフレの速度は一気に加速します。
「時間をかければ安くなる時代」は終わったかもしれません
昔は
- 安い業者を探す
- 安い材料を探す
- 時間をかけて比較する
こういったことをすれば
結果的に安くなることもありました。
ですが今は逆です。
時間を掛ければ掛けるだけ高くなる
そんなリスクが普通に存在します。
1カ月で価格が変わる。
2カ月で条件が変わる。
今の時代は
それくらいのスピード感です。
最初に「本音」を伝えることが、一番安くなる方法かもしれません
今回のお客さん。
もし最初の段階で
- MAX予算は○○円
- 最低限やりたいこと
- 出来ればやりたいこと
- 譲れる部分
- 譲れない部分
これらをはっきり伝えていただいていたら。
もう少し早い段階で
もう少し安い価格で
工事が出来ていた可能性があります。
「予算はあるから良くして」は一番難しい言葉です
今回のお客さんの話を聞いていると
「予算はあるから良くして」
というところからスタートしたように感じています。
ですが、ふたを開けてみれば
予算が足りない。
見栄だったのか。
限界点を知られたくなかったのか。
本当のラインを隠してしまった結果が
今回のような長期化につながっているのかもしれません。
これから先、こうなる可能性もあります
- さらに規模を縮小した見積り依頼が来る
- 見積りはしたけど工事は無しになる
- もう少し様子を見ると言われる
どれも珍しい話ではありません。
ですが、今の状況では
もう一つの可能性もあります。
今日が一番安い日かもしれません
これは営業トークではありません。
現実として
- インフレは進んでいる
- 原油価格は上昇している
- 人件費は上がっている
- 輸送費は上がっている
この状況が続く限り
時間が経てば経つほど高くなる
という方向に進む可能性の方が高いです。
あまり包み隠さず、素直に話した方が早く出来るかもしれません
- 本当の予算
- 本当にやりたいこと
- どこまでが限界か
これを最初に共有していただければ
遠回りせず
無駄な見積りを繰り返さず
一番良い形にたどり着ける
そんなケースはとても多いです。
迷っている時間が、コストになる時代
そんな風に感じることが増えてきました。