ドル円が160円を超えたことで、
「いい加減為替介入あるのでは?」
という声があちこちで聞かれるようになっています。
テレビでもネットでも
「いつ介入してもおかしくない」
「この水準は危険」
そんな言葉が並びます。
ですが、私自身の感覚としては
すぐにでも、という訳では無さそう
という予測をしています。
個人投資家のポジションがヒントになる?
まず一つ目の理由が、
個人投資家の売買比率です。
現状、個人レベルでは
ドル売り(円買い)側が
6~7割近くあると言われています。
要は
「介入が来て円高になる」
「その時に利益を出したい」
という思惑の人たちが
かなりの数、待ち構えている状態。
これは言い方を変えると
政府から見れば“待ち伏せされている”状態とも言えます。
当然ながら、
政府や日銀がわざわざ
個人投資家を稼がせるために
為替介入をする理由はありません。
むしろ逆に、
そういったポジションが多い間は
「まだやらない」
という判断になっても不思議ではないと思っています。
介入するなら「ドル買いが増えてから」
もう一つの視点があります。
もしこのまま
個人投資家がドル売りポジションを持ち続けた状態で
介入をした場合、
一時的に円高になったとしても
その後どうなるでしょうか?
多くの人が利益確定して
ポジションを解消すれば、
結果的には再びドル買い方向に動いてしまう可能性があります。
つまり、
介入の効果が長続きしない
という問題が出てくるわけです。
ですので、もし本当に効果的な介入を狙うのであれば
- 投機的なドル買いが増えている
- 市場が円安一方向に傾いている
- 過度な動きが明確になっている
こういったタイミングを
待つ可能性の方が高いのではないかと考えています。
イラン問題が落ち着けば自然に円高もあり得る
さらに言えば、
為替の動きは日本だけで決まるものではありません。
現在の円安の背景には
- 中東情勢(イラン問題)
- 原油価格の動き
- アメリカの金利
- 世界的な資金の流れ
といった要素が絡んでいます。
もしこの個人勢が機能している間に
イラン問題が収束方向に向かえば、
手を打たずして円高になる
というシナリオも
十分に考えられます。
政府としても
「何もしなくても解決するならそれが一番」
というのが本音でしょう。
日銀の利上げという“静かな武器”
そして忘れてはいけないのが
日銀の利上げです。
これまで日本は
長らく低金利政策を続けてきましたが、
すでに方向転換は始まっています。
利上げは
為替介入のように
一瞬で動かすものではありません。
ですが、
じわじわ効く
という意味では
非常に強力な手段です。
円高に持っていく要素としては
かなり現実的な選択肢であり、
- 市場の納得感がある
- 批判が少ない
- 継続的に効果が出る
という点でも
使いやすいカードだと思います。
「政府のウハウハ」という視点(外為特会)
ここで言う
「政府のウハウハ」
というのは、景気や税収の話ではありません。
もっと直接的な話になります。
日本政府は
外為特会(外国為替資金特別会計)
を通じて、莫大な外貨資産を保有しています。
その多くは
ドルなどの外国資産であり、
円安が進めば進むほど、
円ベースでの評価額が増える
という構造になっています。
さらに重要なのはここです。
もし現在のような円安水準で
これらの外貨資産を売却すれば、
為替差益として“実際の利益”を確定できる
という点。
つまり、
- 円安が進む
- 外貨資産の評価額が増える
- 高い水準で売却する
- 日本政府が利確できる
という流れが成立します。
これは企業や個人投資家と同じで、
「高くなったところで売れば利益になる」
という、非常にシンプルな話です。
だからこそ「急いで円高にする理由が弱い」
この視点で考えると、
政府としては
- 外貨資産の評価益が膨らんでいる
- 売却タイミングを選べる
- 必要な時だけ為替介入できる
という、非常に強い立場にあります。
ですので、
今すぐ円高にしなければならない
という状況でない限り、
- ある程度の円安は容認
- 状況を見ながら利益確定
- 必要な時だけ介入
という動きになっても
全く不思議ではありません。
ただし「無限に儲かる」訳でもない
もちろん、
円安になればなるほど
政府がずっと儲かり続ける
という単純な話でもありません。
例えば:
- 輸入物価の上昇
- 国民負担の増加
- 世論の反発
- 政治的リスク
こういった要素もあるため、
どこかでバランスを取る必要がある
のも事実です。
つまり政府にとっては
円安は利益でもあり、同時にリスクでもある
ということになります。
ただし、今気になっている動きもある
ここ最近、
朝から徐々に円高方向に動いたことで
売買比率がドル買い側に寄り始めている
という点は
少し気になります。
もしこの流れが続いて
- 個人のドル買いが増える
- 市場が円安一方向になる
- 投機的な動きが強くなる
こうなってきた場合、
いよいよ
介入準備OK
という状況になるかもしれません。
私のFX戦略は「ドル買い」中心だけど…
正直なところ、
私のFX戦略は
基本的にドル買い中心です。
ですが今の相場は
- 介入警戒
- 地政学リスク
- 金利政策
- 市場心理
これらが全部重なっていて、
非常に手を出しづらい
状態になっています。
無理にポジションを取れば
一瞬でやられる可能性もある。
だからこそ最近は
「やらない勇気」
の方が大事だと
強く感じています。
これから先の為替の行く先(まとめ)
現時点で考えられるシナリオは
大きく3つだと思っています。
1.介入なしで自然に円高
(中東情勢の落ち着き・日銀利上げ)
2.投機的なドル買い増加 → 為替介入
(短期的に大きな円高)
3.しばらく高止まり
(政府も様子見)
どれになるかは
正直、誰にも分かりません。
ただ一つ言えるのは
焦って動く必要はない
ということ。
相場は逃げません。
落ち着いて、
チャンスが来るまで待つ。
最近は
それが一番の戦略だと
思っています。