今年こそは定価設定見直してほしい~クロスは20年以上定価が変わらないのに、なぜ値上げだけ続くのか~

物価高の影響が各業種に広まり、値上げが続いていますが、
少なくとも私の知りうる20数年以上に渡って価格がほとんど変わっていない商品があるのをご存じでしょうか。

「壁紙(クロス)」です。

でも
「いや、クロスもずっと値上げしてるよね?」
と返されることも多いです。

確かに値上げはされています。
ですがそれは販売する側の「仕入れ価格」だけが上昇しているという話。

「定価」は据え置きのままなんです。


先日、倉庫の片付けをしているとこんなものが出てきました。

左側がこの春改編予定のサンゲツFINE。
右側が2011年発売、約15年前のFINE。

どちらもAAランクと呼ばれている価格帯の商品が掲載されているカタログになります。

その価格帯設定を見てみると

15年経っても全く変化がありません。

もちろん、これは「15年」の話ですが、
実際には20年以上ほぼ同じ価格帯のままという認識の方が現場感覚としては近いと思います。


一般的に商品を買おうと思った時に
「定価より高かった」
ということはありますか?

ほとんど無いと思います。

通常は
メーカーが定価を決める時に

  • いくらで問屋に卸すのか
  • いくらで販売店に回るのか
  • 最終的に消費者がいくらで買うのか

こういった流れを調整した上で
定価を超えない範囲で利益が出るように設計されています。

昔はクロスも同じでした。


昔は

材料費+施工費=だいたい定価

この感覚で成り立っていたように思います。

ところが近年は
複数回にも上る値上げが続き、

「定価はあくまでも材料の定価ですよ」

という意識が徐々に定着してきました。

ですが問題はその頻度です。

値上げの回数が多すぎる。

結果として
どんどん定価に近づいていく状況が起きています。


私たち内装業者は
通常、

  • 材料費
  • 工賃
  • 搬入や管理などの手間

これらを含めて価格提示をしています。

ところが値上げの頻度が多すぎると、
外から見た時に

「工賃が爆上げした」

ように見えてしまうことがあります。

ですが実際には

これまで上がってきた金額の大半は
材料費です。


その間、

定価はずっと据え置き

です。

この構造のせいで、

  • 内装屋が儲けている
  • 職人が高い金を取っている

そんな誤解を受けることも少なくありません。

正直なところ、
現場側からするとかなり辛い部分です。


そして、いま一番困っているのがここです。

もしこれ以上
仕入れ価格だけの値上げが続けば、

最終的な購入者の材料価格が

定価を超えてしまう

可能性が出てきています。


販売価格が定価を上回るわけにはいきません。

では何を削るのか。

答えはシンプルです。

私たちの仕事の部分です。


例えば

  • 採寸
  • 発注
  • 搬入
  • 現場管理

こういった作業があります。

これらは本来、
「手間」として対価をいただくべき仕事です。

ですが現実には、

販売価格に手間代を乗せる余裕が無い

状況に近づいています。


もちろん、

  • 採寸〇円
  • 発注事務作業〇円
  • 搬入費〇円

このように細かく分けて請求する方法もあります。

ですが、

  • 手間が増える
  • 説明が増える
  • 管理が増える
  • トラブルが増える

結果として

現場が回らなくなる

リスクも高くなります。

さらに

  • 現場までの距離
  • 作業時間
  • 現場条件

これらで価格設定を細かく変え始めると、

事務作業だけで仕事が終わる

ような状態にもなりかねません。


普通の商品であれば、

仕入れが上がり続けて
定価が変わらないのであれば、

「もう買わない」

という選択肢があります。

ですがクロスは違います。


代替え材料がほぼ無い

これが最大の問題です。

内装工事において
クロスは

ほぼ必須の材料

です。

使わないという選択肢は
現実的にはほとんどありません。


結果としてどうなるか。

内装業者がその割を食う

これしか選択肢が無くなります。


この春、
写真にあるサンゲツFINEのカタログは
改編になる予定です。

おそらく、
もう印刷や製本は始まっているでしょう。

だからこそ思います。


今度こそ

定価設定から見直してほしい


値上げすること自体は
理解できます。

原材料も
人件費も
物流費も

すべて上がっています。

それは現場にいる私たちが
一番分かっています。


ですが

仕入れだけ上げて
定価は据え置き

この状態が続くと、

最終的に壊れるのは

  • 現場
  • 職人
  • 施工品質

です。


そしてそれは

最終的に

お客様に返っていく問題

になります。


クロスは
20年以上に渡って
ほとんど定価が変わっていない商品です。

でも、

コストは確実に上がり続けています。


今年こそ。

本当に。

定価設定を見直してほしい。

それが現場にいる人間の
率直な願いです。

投稿者: クロス

約20年のインテリア(内装工事)の実績から、住宅購入者のお悩み解決できたらいいなと思いサイトを立ち上げました。 これから住宅を購入検討されてる方へのアドバイスや、賃貸物件でのお役立ち情報も出せたらいいなと思っています。最近プライベートな記事も多いですが

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