3月11日に赤飯は不謹慎? 追悼の日と門出の日は同時に存在する

福島県いわき市の学校給食で、3月11日の卒業式に赤飯を出す予定だったところ、「東日本大震災の日に赤飯は不謹慎ではないか」という声が出て献立が変更された、というニュースを目にしました。

赤飯は日本ではお祝い事の象徴です。卒業式の日に出す献立としてはごく自然なものです。それが「震災の日だから」という理由で問題視される。
この話題を見て、少し考えさせられるものがありました。

もちろん、東日本大震災は多くの命が失われた出来事です。2011年3月11日、巨大地震と津波によって多くの地域が壊滅的な被害を受けました。今も復興途中の地域がありますし、家族や友人を失った方にとっては特別な日であることは間違いありません。

その日を追悼の日として大切に思う人がいるのは当然のことです。

ただ、だからといって3月11日は「日本中が祝い事をしてはいけない日」なのでしょうか。

少しだけ視点を変えて考えてみたいと思います。

まず一つ言えるのは、3月11日という日は震災の日であると同時に、毎年必ず誰かの誕生日でもあるということです。
日本では一日におよそ2500人から3000人ほどの子どもが生まれています。つまり、3月11日生まれの人も毎年それだけいるということになります。

その人たちにとっては、3月11日は「誕生日」です。
人生の中でも大事な記念日です。

また、学校という視点で見れば、3月11日は多くの地域で卒業式のシーズンでもあります。地域によって多少の違いはありますが、3月10日から12日あたりに卒業式を行う学校は珍しくありません。

そして今年は震災から15年の節目でもあります。

つまり、今回卒業する中学生というのは、東日本大震災が起きた年に生まれた世代でもあります。
あの日と同じ年に生まれた子どもたちが、今まさに中学校を卒業し、次の人生のステージへ進もうとしているわけです。

そう考えると、3月11日は
「震災を忘れてはいけない日」であると同時に、
「震災の年に生まれた世代が門出を迎える日」でもあります。

どちらも同じ現実です。

卒業式というのは人生の節目です。
その節目を祝うために赤飯を出すというのは、日本の文化としてごく普通のことです。

むしろ今回の献立は、卒業という門出を祝う意味で用意されたものだったのでしょう。

さらに言えば、給食の献立というのは自然に決まるものではありません。栄養士さんや関係者が、季節や行事、子どもたちのことを考えながら一つ一つ作っているものです。

今回の赤飯も、
「卒業という大切な節目を祝ってあげたい」
そんな思いから考えられた献立だった可能性が高いと思います。

それを「この日は悲しい日だから祝い事はダメだ」と否定してしまうと、卒業という門出を迎える子どもたちや、献立を考えた人の思いまで否定してしまうことになりかねません。

ここで少し話を広げてみます。

実は、日本の歴史を調べてみると、365日のほぼすべての日に、誰かが亡くなった事故や災害が記録されています。

例えば
・1月17日 阪神・淡路大震災
・8月12日 日航機墜落事故
・9月1日 関東大震災

こうした日も、多くの人にとっては忘れてはいけない日です。

では、その日は全国で誕生日を祝ってはいけないのでしょうか。
結婚式をしてはいけないのでしょうか。
卒業式や入学式をしてはいけないのでしょうか。

そんなことはありません。

365日というのは、
誰かにとっては追悼の日であり、誰かにとっては祝いの日でもあるというのが現実です。

誰かの悲しみの日を大切にすることは大事です。
しかし同時に、誰かの人生の節目や門出も同じように大事にされるべきではないでしょうか。

追悼する人は追悼すればいい。
祝う人は祝えばいい。

その両方が同時に存在することを認めるのが、自然な社会の姿だと思います。

3月11日という日は、確かに忘れてはいけない日です。
しかしそれと同時に、誰かが生まれた日でもあり、誰かの卒業の日でもあり、誰かの人生の節目の日でもあります。

震災から15年。
あの日に生まれた世代が卒業を迎える年です。

そういう意味で考えると、卒業式の日に赤飯が出るというのは、
むしろ「次の世代の門出」を象徴する出来事だったのかもしれません。

追悼と祝いは、必ずしも対立するものではありません。
同じ日に、両方が存在していてもいい。

365日というのは、そういう日なのだと思います。

投稿者: クロス

約20年のインテリア(内装工事)の実績から、住宅購入者のお悩み解決できたらいいなと思いサイトを立ち上げました。 これから住宅を購入検討されてる方へのアドバイスや、賃貸物件でのお役立ち情報も出せたらいいなと思っています。最近プライベートな記事も多いですが

3月11日に赤飯は不謹慎? 追悼の日と門出の日は同時に存在する」に2件のコメントがあります

  1. クロス様
    こんにちはぁ🙋
    御赤飯は赤い色をしていることから、祝い事で炊かれるイメージですが、東北地方では『魔除け』や『邪気払い』『ご先祖様(故人)への哀悼や感謝』と、お盆でも炊かれるそうです✨おはぎも小豆ですものねぇ✨地方によって弔い方や追悼の仕方は違うってことを、北海道から沖縄までの国土を持つ日本に住む人々は勉強しないといけませんね💧因みに、わたくしもクロス様の疑問を検索して学習しました😅

    1. KUMI kotobukiさん
      引き続きコメントありがとうございます✋
      このニュース。肝心の「1つのクレームで『止めとこう』となりすべての給食が廃棄された」という部分を書き忘れちゃいました。
      私自身赤飯自体食べることもほとんど無いですし、お祝いとか追悼とかその辺の感覚あまりないんですけど、昔から初潮の時は赤飯と聞きますからお祝いの方が強いのかな?とは思います。
      対象だったのが福島だったので不謹慎扱いになってますが、結果としてこのクレーム入ったの1件だけだったようですし、むしろ食品ロスの方が問題として捉えられた部分が大きかったのかと思います。
      私の記事を元にそれだけ色々調べてもらえているというのは、逆に私の調べ不足が露呈してちょっとお恥ずかしい・・・。
      とはいえちょっとした問題提起の一助となっているのであれば、それはそれでいいのかな?
      SNSなどネット環境が力を持ち過ぎたせいで、このように話や一人一人の声が大きくなる時代になりましたが、私の記事は「どっちの見方もある」というポジションで話できたらいいな~って思ってます🙇

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