年度末工事最盛期。
元請け企業とお施主様の契約の関係で、最後に工程が切羽詰まるのは今も昔も変わりません。
昔からの監督さんは言います。
「内装屋さんがなんとかしてくれるでしょ?」
今どきの若い監督さんはこう言います。
「他探しますよ?」
どちらも方向性は違いますが、根っこは同じです。
“仕上げは最後に何とかなる”と思っている。
でも、そこが一番ナメられている部分なんじゃないでしょうか。
■ 仕上げ工事は“見える部分”を作る仕事
クロス、塗装、床、フィルム。
全部、お客様の目に一番触れる場所です。
構造は見えない。
下地も見えない。
でも仕上げは、毎日見える。
その「見える部分」を、突貫で寄って集って終わらせる。
これ、本当に健全な仕事でしょうか?
■ 突貫工事のリアルなデメリット
仕上げ工事は“乾燥時間”が必要です。
- パテは乾かす時間がいる
- 塗装は重ね塗りの乾燥がいる
- フィルムは埃が立たない環境がいる
- 床は人が歩かない時間がいる
でも突貫現場ではどうなるか。
「パテなんか打たなくていい」
「1回打ってありゃ十分」
「人通すからそこだけ早く仕上げて」
いやいや。
それ、商品を作ってる感覚あります?
焦って施工すればどうなるか。
・後から割れる
・継ぎ目が浮く
・ホコリを噛む
・床に傷が入る
そして言われるんです。
「仕上げが悪い」
いや、工程が悪いんです。
■ 人は減っている。昔と同じはもう無理
昔は無理を聞いてくれる職人さんがいました。
夜中までやる。
休み返上で入る。
でも今は違います。
- 職人は確実に減っている
- 高齢化している
- 働き方も変わっている
そもそも、昔のように無理矢理詰め込む段取り自体が成立しない。
それでも「なんとかして」は続いている。
その歪みが、全部仕上げに来ているんです。
■ 悪い仕事の方が儲かる構造
もっと厄介なのはここ。
無理を聞いて、突貫で終わらせる業者はいます。
しかも、
「無理聞いてやったから」と費用はしっかり取る。
結果どうなるか。
- 手を抜いても利益は出る
- まともにやる業者は“融通が利かない”と外される
- 良心的な業者が消えていく
これ、健全ですか?
結局割を食うのは誰か。
お施主様です。
■ 突貫は“コスト削減”ではなく“品質削減”
元請け側は言います。
「契約内で収まってるからOK」
でもそれは、
契約内で品質が落ちているだけかもしれません。
突貫工事はコストを削っているのではない。
品質を削っている。
そして削られるのは、
一番お客様の目に入る部分。
■ 仕上げをナメる現場は、いずれ信用を失う
全員がそうではありません。
むしろ一部でしょう。
でも、まだまだ残っています。
「最後に帳尻合わせればいい」
この発想がある限り、
建設業は健全化しません。
時代は変わっています。
- 働き方が変わり
- 人が減り
- 制度も変わり
それでもやり方だけが昭和のまま。
これでは業界は良くならない。
■ 仕上げは“最後”ではなく“仕上げ”
仕上げ工事は最後に入るだけ。
重要度が低いわけじゃない。
むしろ完成度を決める工程です。
「なんとかして」ではなく
「きちんと仕上げる時間を確保する」
それだけで現場は変わります。
仕上げをナメる現場に未来はありません。
そろそろ本気で、
工事の健全化を考える時期じゃないですかね。