ここ数年、
「経営者こそSNSをやるべき」
「社長が前に出ない会社は伸びない」
そんな言葉をよく耳にします。
集客、採用、ブランディング、資金調達。
あらゆる面で“発信力”が武器になる時代です。
インフルエンス経営の代表例
■ 令和の虎 に出演する社長たち
出演している社長の多くは、自社チャンネルを持ち、XやInstagramでも積極的に発信。
番組出演をきっかけに、知名度が一気に跳ね上がるケースも少なくありません。
「テレビやYouTube出演 → フォロワー増 → 売上増 → 採用強化」
このブースト力は、従来の広告費では考えられないレベルです。
■ REAL VALUE に出る経営者
こちらも同様。
ビジネスリアリティ番組で顔が売れれば、会社名も同時に浸透します。
人手不足の昨今、
「知っている会社」というだけで応募率が上がる。
これは現実的なメリットです。
■ ヒカル という逆パターン
YouTubeで巨大なファンベースを築いてから事業へ展開。
これは「インフルエンスが先、経営が後」という形。
成功すれば、
通常の事業拡大速度の何倍ものブーストがかかります。
広告費ゼロで新商品が爆発的に売れる世界。
正直、経営者から見れば羨ましい話です。
しかし、逆回転も起こる
今回話題になったのが、姫路のカードショップ
遊楽舎 の閉店。
かつてヒカルさんの動画にも多く出演していた店長さん。
詳細事情は様々あるでしょう。
経営状況もあったのでしょう。
ですが、同業者とのやり取りをきっかけに
一気に炎上が広がり、視聴者も巻き込む形に。
インフルエンスは、
良い時は何倍にも増幅し、
悪い時も同じ倍率で増幅します。
SNSは拡声器です。
ボリューム調整はできません。
経営者がSNSをやるなら、条件がある
ここが本題です。
私はこう思います。
「しっかりした経営基盤の上にインフルエンス力が乗るべき」
これが逆になると危険です。
① 本業が盤石であること
炎上しても売上が止まらない体力があるか?
② 組織で回る体制があること
社長がSNS対応で疲弊しても、現場は回るか?
③ 感情をコントロールできるか
SNSは感情の増幅装置です。
一言の返信が火種になる。
中小企業こそ慎重になるべき理由
例えば私のような建設業界の立場で考えると、
・元請との関係
・地域での信用
・職人ネットワーク
これらは炎上と相性が悪い。
SNSでバズることと、地域で信用を積むことは、
必ずしもイコールではありません。
SNSは武器にもなるし、刃にもなる
インフルエンス力は確かに魅力的です。
・採用が楽になる
・価格競争から抜けられる
・ブランドができる
ですが、
・炎上
・切り抜き拡散
・過去発言の掘り返し
これもセット。
経営者は会社の顔。
個人の失言が法人の信用に直結します。
結論:やるべきか?やらないべきか?
答えは極端です。
「覚悟があるならやる」
「覚悟がないならやらない」
何でもかんでも
「時代だからやる」
は危険です。
経営者のSNSは、
レバレッジが効く金融商品みたいなもの。
うまく使えば資産倍増。
間違えれば一気にロスカット。
遊楽舎の閉店を見て、
改めて考えさせられました。
インフルエンスは魔法ではない。
土台があってこその拡張装置。
経営者のSNS活動。
それは「やった方がいい」ではなく、
「扱える人だけが扱う武器」
なのかもしれません。