昨今、「権利ばかり主張する人材」が話題になることが多くあります。
賃金、休暇、労働時間――法律で守られている部分をフルに活用し、自身の利益を最大化しようとする。その姿勢自体は間違っていません。
ただし問題なのは、業務内容や成果が伴っていないケースです。
会社としては、雇用している以上、法的に認められた権利には応じる必要があります。不満があれば転職もしやすい時代ですし、退職代行サービスのような選択肢もあります。
一方で、
特段強く権利主張をするわけでもなく、長年勤めている人たちはどうでしょうか。
会社都合の残業にも協力し、休日出勤も対応。
賃金は定期昇給+「何かの折に少し色を付けてもらえたら御の字」という感覚で、結果的に会社にとって都合のいい体制で回っている人も多いのが現実だと思います。
出来る人・出来ない人の差はあっても、社員同士が細かい条件を話し合わない限り、その差は見えにくい。
特に中小企業では、賃金や賞与の査定基準が曖昧なまま運用されているケースも少なくありません。
物価上昇の中で「待つだけ」はきつい
昨今の物価上昇、円安、人件費高騰。
この状況で「会社主導の賃上げ」をただ待っているだけでは、正直かなり厳しい展開になります。
中小企業であればなおさらです。
賃金も賞与も、基本は会社主導。しかもその判断基準はブラックボックス。
そこで今年の春、私自身が動いてみました。
文字通りの「春闘」です。
これまで昇給もボーナスも「なんとなく」。
評価基準もよく分からない。
もらえる金額は物価上昇に追いついていない。
「このままではさすがに厳しい」
そう思い、夏のボーナスまでに条件を整理して、**「しっかり上げたい」**という意思を明確に伝えました。
もちろん、会社側の事情も理解しているつもりです。
年間の売上・利益を前提に予算を組んでいる以上、世間が賃上げしているからといって簡単に変えられないのも事実。
会社からは
「前向きに検討するから、少し時間をくれ」
という返答でした。
交渉は「感情」ではなく「材料」
ここで重要なのは、感情論だけで押さないことです。
交渉材料として用意したのは、
- 労働分配率などの客観的データ
- 労働法規の整理
- 自分が会社にもたらしている売上・利益
- 今後も続ける場合、続けない場合のシナリオ
それらを揃えた上で、
「この条件のままでは続けられない。上げられないなら、辞める覚悟もある」
というスタンスで臨みました。
「上げられないならクビにしてくれ!」
もちろん実際にはクビにできないので、実質は自主退社を覚悟した交渉です。
首を掛ける覚悟がなければ、交渉にはなりません。
結果は、年末に出た
そして年末が差し迫ったタイミングで、結果が出ました。
規定上、ボーナスは年2回。
その査定は営業成績に応じた%で算出。
業界的にアップダウンがあるため、
- 算定額の70%を通常ボーナスとして支給
- 残り30%は、成績が順調なら決算賞与として別枠で支給
という仕組みになりました。
この基準がそのまま適用されれば、
年3回のボーナスで、年収は約100万円アップ。
さらに、
今以上に利益を上げる働き方ができれば上限なし。
正直、満額回答と言っていい評価でした。
当然、リスクも背負う
ただし、これは諸刃の剣です。
- 言ったからには成果を出さなければならない
- 出来なかった時には、賃金を下げる口実を与える可能性もある
リスクは確実に増えます。
ただ、今の社会情勢であれば、
仮にうまくいかなくなったとしても、
- 退職
- 次の会社で前職の年収水準を提示
というアップ思考の転職も十分現実的です。
何もしないまま消耗するより、
動いた上でリスクを取る方が、よほど健全だと感じています。
動かなければ、何も始まらない
これまでは、
- 会社への恩
- 考え方や空気
- 「分かってくれているはず」
そういった曖昧なものに支えられて働いてきた部分もありました。
でも、これからの時代は違います。
やることをやっているなら、ちゃんと交渉する。
そのための知識を持ち、リスクを理解した上で動く。
今回の経験で、それがはっきり分かりました。
私自身にとっては、
最高のクリスマスプレゼントになったと思っています。
……実際にもらえるのは年度末ですけどね💦
あなたの文章は、経済的な変化の時代においては、企業が決定するのを受動的に待つのではなく、自ら進んで行動し、十分な情報に基づいて交渉することで、公正な労働条件を確保することが重要であることを示しています。
Lincol Martínさん コメントありがとうございます。
日本は世界の中でも特に受動的で、周囲の空気に影響される風潮が強いと感じています。
世間の風潮だけでなく、自社の体制や状況もしっかり加味した上で交渉するのが必要ですよね。
社員のサイドからの適正だけでなく、会社から見た時の適正も上手く組み込むのが良いかと思います。
日本の労働市場も欧米化が進んでいるので今のうちから対処できるだけの能力も必要かもしれませんね。
ありがとうございます。全く同感です。インフォーマルなスタイルの自然さと親しみやすさは、真実と感情を伝え、言葉がより本物らしく響くようにしてくれます。
賛同いただきありがとうございます。
私の文章から親しみやすさがある、真実味があると伝わっているのはうれしいです。