ここ数年、政治的な後押しもあり、副業がしやすい労働環境が整ってきました。
とはいえ、実際に男性で“ダブルワーク”している人ってどれくらい見かけますか?
私のように、インターネット環境を活かした動画編集やブログ執筆など、在宅でできる副業に取り組む男性は増えている印象があります。ですが、本業とは別に「別の職場に出勤するタイプの副業」を行っている男性って、正直ほとんど見ません。
■ 一方で、女性は“ダブルワークどころかトリプルワーク”が当たり前に
これが女性になると様子が全然違います。
特にシングルマザーの方は顕著で、
昼に本業 → 夕方にコンビニ → 夜は飲み屋さん
という「三毛作」みたいな働き方が普通にあります。
働き方改革のおかげ(?)で残業が減ったことで、
「定時で上がれる → そのまま別の仕事に行ける」
という流れが作りやすくなったのも大きいでしょう。
さらに夜職の方が出勤日の調整もしやすく、急な休みにも対応しやすい。
賃金自体も夜職の方が高い業種も多いので、家計との相性もよい。
こうした背景が、女性の複数就労を後押ししているのだと思います。
■ 若い女性にもダブルワークが広がる理由
シングルマザーだけではありません。
昼職+夜職を掛け持ちする若い女性も非常に多い印象です。
夜のお店に行くと、アルバイトの中心が若い女性で、話を聞くと多いのが、
- 奨学金を早く返したい
- 借金を早く減らしたい
- 若い今のうちに稼ぎ切りたい
という理由。
夜職は若い女性に対する需要が大きい業界なので、努力次第で短期間でまとまった収入が得られてしまう。
「歳を取ったらこの仕事で稼ぎ続けられないから今のうちに」という合理的な判断も働くのでしょう。
■ 男性はなぜ複数の仕事をしないのか?
では男性はどうかというと、
多くは「今の職場で成果を出して昇給で上げていく」というスタイルが基本。
これは背景として、
- 歴史的に男性の賃金が高かった
- 残業代込みで“まとまった収入”が作れた
- 男性の育児・家事参加が社会的に割と遅れていた
といった事情も影響しています。
つまり男性は、
一つの職場で稼ぐモデルが成立していた
ということ。だから無理に副業で働く必要がなかったわけです。
■ 賃金格差が“働き方の格差”を生んでいる
ここで浮き彫りになるのが、
賃金格差が働き方の格差も作っているという問題。
女性の賃金が低く抑えられてきたことが、
「副業しないと生活が回らない」
「早く返済したいから夜も働く」
「子育てと家計の両立を考えると複数就労の方が合う」
という現状を作っています。
働き方改革で定時上がりしやすくなった一方で、
本来は“家庭の時間を増やすための制度”だったはずの仕組みが、
結果的に「女性が働く時間を増やす方向」に作用しているようにも見えます。
■ じゃあ男性はもっと働けるのか?
女性の働き方を見ていると、
正直「男性もっと働けるのでは?」と思う瞬間もあります。
ただし、ここで注意したいのは、
本来は誰かが“働き過ぎる”ことを前提にしない社会にするべき
という点。
女性が三毛作のように働かないと生活がままならない。
男性は本業一本でギリギリ持つ。
このアンバランスさが放置されているままでは、労働市場が歪んだままです。
本来望ましい姿は、
- 女性の賃金がもっと上がり、単一の職で生活が成り立つこと
- 男性も家事や育児をシェアし、副業を含めて働き方を柔軟に選べること
- 夜職に頼らない若い世代が奨学金を返せる社会になること
このあたりが整って初めて「健全な労働市場」と言えるのではないでしょうか。
■ 今後の労働市場はどうなる?
少子化・共働き化・賃金格差・働き方改革。
これらが全部つながって、今の“働きすぎ女性”を生んでいます。
男性より女性の方が労働時間の総量が多いという逆転現象は、
今後ますます広がるかもしれません。
そして気になるのは、
「働く気力」そのものが男女問わず下がっている時代
でもあるということ。
その中で、女性だけが「働かざるを得ない状況」に追い込まれている構図があるので、
今後の政策や企業の動きがどれだけ格差を埋められるかが重要になってくるでしょう。