建設現場が止まる理由:電気屋さんが足りない”本当の原因”とこれからの対策

1. はじめに:電気屋さん不足が現場を止める

建設現場では「電気屋さんの手が取れず現場が止まる」という事態が少なくありません。特に段取りの悪い現場監督にあたると、直前に「明日来てください」「午後だけ急ぎでお願いします」といった連絡が入り、電気屋さんの予定が取れないことが多発します。

電気屋さんは現場のごく一部の作業だけを担当しているのではなく、仮設電柱を立てるところから、工事完了後の撤去まで、現場の最初から最後まで関わる存在です。彼らの予定が狂うと、現場全体が止まってしまうのです。


2. 電気工事士という資格の重み

建設現場の電気工事は、単に「線をつなぐ」だけの仕事ではありません。電気工事士という国家資格が必須であり、資格保持者しか触れない範囲が多く存在します。

  • 第二種電気工事士:住宅や小規模店舗の配線工事などを担当できる
  • 第一種電気工事士:高圧受電設備やビル設備など大規模工事にも対応可能

この資格制度によって、施工品質と安全性が担保されています。しかし裏を返せば、資格保持者の数が限られているため、代わりの効かない仕事でもあります。


3. 電気屋さんが捕まらない理由

労働時間規制の壁

電気屋さんは大工やクロス屋と違い、企業に所属する社員として働いているケースが多く、労働時間規制が厳しく適用されます。突発的な残業や休日対応は難しく、「明日急ぎで」という依頼には応えられないことが多いのです。

個人事業主との違い

大工さんやクロス屋さんは個人事業主が多いため、自分の裁量で予定を動かしやすいですが、電気工事は安全管理や資格要件が絡むため、自由度が低いのも特徴です。

段取りの甘さ

現場監督の段取り不足が最も大きな要因です。配線ルートの調整、他業種との干渉確認、資材の納入手配などを前もって詰めず、直前で連絡しても、電気屋さんはすでに別現場の予定で動いています。その結果「手が取れない」「工事が進まない」という悪循環が発生します。


4. 段取りの大切さを深掘りする

段取りとは単なる予定表づくりではなく、現場を止めないための最重要業務です。

  • **現調(現場調査)**で図面との違いを確認し、配線ルートや器具配置の障害を事前に洗い出す
  • 他業種(内装・設備・空調など)との施工順序を調整し、配管や仕上げ材の干渉を避ける
  • 資材・器具・工具を事前に確保し、現場で「ないから作業できない」を防ぐ
  • 仮設電源や安全措置を用意して、感電や火災といった重大事故を防止する

段取り八分、仕事二分という言葉の通り、準備を徹底すれば作業自体はスムーズに進みます。


5. 電気工事士の賃金事情

電気工事士の収入は働き方によって差があります。

  • 社員として働く場合:平均年収はおよそ500万~550万円。経験や役職によっては600万円以上に達することもあります。
  • 一人親方として働く場合:日当は18,000~22,000円前後が目安。月20日働けば40万円前後の売上になりますが、そこから車両費・工具費・保険料などの経費を差し引く必要があります。
  • 資格や経験による差:第一種電気工事士や施工管理技士を持ち、現場の責任を担える人は、さらに高い単価・年収を得られる傾向があります。

需要は高いのに人材が不足しており、今後さらに待遇改善が進む可能性もあります。


6. 解決へのヒント

  • 監督の段取り力強化:直前の丸投げをなくし、電気工事を含む工程を余裕をもって計画する
  • 資格者の確保:自社で電気工事士を育成・確保する、外注先と長期的なパートナー関係を築く
  • ICTの活用:施工図や資材手配をクラウドで共有し、抜けや重複を減らす
  • 待遇改善:若手が資格を取得し続けられるよう、賃金や労働環境の改善を図る

7. おわりに

電気屋さんは現場の最初から最後まで関わり、仮設電源から完成後の撤去までを担う存在です。つまり、現場が動き出すためのスタートラインでもあり、最後の仕上げを決めるゴールテープでもあるのです。

その電気屋さんが不足すれば、現場全体が止まるのは当然のこと。監督の段取り力、資格者の確保、待遇改善がそろって初めて、安定した現場運営が可能になります。

投稿者: クロス

約20年のインテリア(内装工事)の実績から、住宅購入者のお悩み解決できたらいいなと思いサイトを立ち上げました。 これから住宅を購入検討されてる方へのアドバイスや、賃貸物件でのお役立ち情報も出せたらいいなと思っています。最近プライベートな記事も多いですが

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