「ふるさと納税」という言葉を聞かない日はないほど定着した制度。
制度開始から10年以上が経ち、今では利用者も右肩上がり。
実際、私も「どうせ払うなら、ちょっとでも得したい」と思うわけです。
だけど、いざ申し込もうとすると、心の中でブレーキがかかるのです。
節税メリットは魅力的
ふるさと納税の基本は「寄付金控除」制度。
例えば、年収500万円の方であれば、実質自己負担2,000円で約6〜7万円の寄付が可能。
寄付先の自治体からは魅力的な返礼品も届き、
しかも翌年の住民税や所得税が控除される――これが節税メリットの肝です。
実際、楽天やふるさとチョイスなどのポータルサイトでは、
ポイント還元も加味されてさらにお得感が増しているように見えます。
でも、地元の税収が減ってしまう?
私が抱える最大の“けど”はここです。
私は、生まれも育ちも現在の住まいも同じ地元。
ずっとこの地域で暮らし、仕事もし、地域のインフラにも日々支えられているわけです。
そんな自分が、他の自治体に寄付(≒税金の一部を納める)することで、
自分の住んでいる町の税収が減ってしまうことに、どうしても違和感があるのです。
実際、ふるさと納税が盛んになって以降、
都市部の自治体では「数億円単位」での住民税減収が起きているという報告もあります。
地元へのふるさと納税はできないのか?
ふるさと納税の仕組み上、自分が住んでいる自治体に寄付しても返礼品がもらえません。
そのため「制度上、損」と判断され、誰も地元には寄付をしないという構図になっています。
でも、この制度の目的は本来、「生まれ育った故郷や、応援したい地域を支援すること」のはず。
今の制度では、「損得勘定でしか選ばれない地域貢献」になってしまっているのではないでしょうか。
私なりに考えた改善案
私自身がふるさと納税を利用するのをためらう理由は、
**「地元に迷惑をかけたくない」**という、ある意味とてもローカルな感情です。
そこで、こんな制度改革があってもいいのではないかと思うのです。
● 自治体選択型の返礼品共通プール制度
返礼品は他自治体からでも受け取れるようにし、寄付先だけは自由に選べる制度。
つまり、「地元に納税しつつ、別の自治体の特産品を受け取る」ことができる仕組みです。
● 地元還元率を設定
例えば、どの自治体に寄付しても、10〜20%程度は自分の住んでいる市町村に還元される仕組みにする。
都市部の財政悪化を防ぎつつ、制度利用者の罪悪感も減らせます。
● 地元貢献型ふるさとポイント
ふるさと納税と連動して、地元で使えるポイントや地域通貨がもらえる制度。
例えば「他地域に寄付したけど、地元で使える割引券がもらえる」といった設計です。
最後に
節税にもなり、お得な返礼品ももらえる「ふるさと納税」。
制度としてのメリットは疑いようもありません。
ただ、その裏で“地元の税収”が静かに失われていく現状に、
何らかのブレーキやバランス機能が求められているのではないか――
そう感じずにはいられません。
「納税者の気持ち」と「制度の目的」、
両方がうまく重なるような仕組みになることを、心から願っています。