労働時間規制に向けて内装業者全体で職人さんの工賃を上げていこうという動きがあり、装飾組合を含めて業者内で15%~20%程度の値上げに向けて動こうという取り決めが数年前からありました。
週6日から週5日の労働日数になると、15%~20%上げないと現行水準の工賃にもならない・残業までできなくなると実質の減収になっちゃうのでという理由からでした。
それからしばらく経ちます。材料の値上げも一巡して目に見える値上り要素が無くなったのでこれからの値上げが中々切り出しにくい場面になりました。
そんな中、見積りを出している現場で困ったことが頻発しています。
大型物件になると、大抵の場合3社見積りくらいを取られている建設会社が多いと思いますが、一番安く出している会社がどうやら材料の値上げ前の単価水準で、しかも工賃も当時のままくらいの価格設定で見積りをしているようなのです。
私の所で2500万くらいの見積りを出していて、比較的近場の現場なので取りに行きたいところなのですが、「他社との見積りの比較もあるし、元の見積りで実行予算組んでいるから2000万切らないと発注できないよ」なんて元請けさんから言われております。
大抵の大きい工事を施工している装飾屋さんの材料の仕入れ価格なんてそんなに差がありませんし、職人さんも個人事業主が多いので単価的な部分にはそんなに差がある状況ではありません。
そんな中で20%も安い単価で設定しているという事は、自身の利益を最大限削った上で職人さんにもかなり安い単価で叩いているという噂を耳にしました。
職人さんとしても仕事が無い事には売り上げが0になってしまうので、安い工賃でも文句を言わずに施工してくれていたようです。
ですが最近。あまりにも安すぎる請負をしているので職人さんが「その金額じゃ行けない」という動きに出始めたようで、その装飾屋がこれまでの見積りを無視して「追加を貰えないと職人さんが集まらない」と言って追加を請求しながら工事をしていっているそうです。
元請けさんも工事が終わらないと困るから追加を払ってでも工事をしてもらうようにしているらしいのですが、私たちが当初出していた見積りよりも高い金額になっているようです。
私たちとしては余程の世間の情勢が変わるタイミングで無い限りそういった自身の責任で追加を頼むようなことは無いのですが、そういった無茶苦茶なやり方をする業者によって周囲の同業者はもちろん元請けさんの利益も圧迫している状態がいかがなものか?と思っている次第です。
幸いというか、そういったやり方をされるので次回の見積りからは排除しようという動きが出てきているのは助かります。しかし、他の装飾屋さんを知らない業者についてはこのやり方が引き続き実施されていくようです。
軽天屋さんなんかはこういったやり方をしている業者が多いと聞きます。追加をバンバン出してくれる業者の工事を先行して進め、追加を出し渋る現場はいくら遅れても構わないというスタンスのようで、そういった現場に巻き込まれる後業者はたまったもんじゃありません。
そちらに予算を取られるせいで、後ろの業者に予算が残ってないと言われることもしばしば。
こういった無責任な仕事をする業者はどんどん排除して業界が健全化していって欲しいんですけどね。あまりに高額になり発注主であるお客さんに高額の請求となるのは避けたいところですが、今回の業者のようなところが蔓延ると元請け事業者の利益がひっ迫します。その業者以降の業者の施工体制にも価格にも営業をもたらします。
せめて当たり前の金額を出して、当たり前の仕事が出来る状況にはしていきたいと考えていますが、これからどうなっていくでしょうね?