個人事業主の職人さん。2,3年ず~っとインボイスってなに?登録しないといけないの?しよっか?って言っていたのですが、半年前から「登録番号連絡ください」という案内を出していたものに「間に合いませ~ん」という報告が続出。
現在申請中で、開始には間に合わないという人が数人いました。
「別に1,2か月消費税貰えなくてもいいよ」という人もいれば、「登録完了するまで猶予期間の2%引いてもらうで今まで通りね」という人や「2%そっちで見てね。10%のまま請求するから」という人など様々な反応。
Aさんは免税事業者のままで、消費税0%対応。
Bさんは課税事業者になろうとしているけど、登録完了まで免税事業者としているけど2%の負担をさせたくないので8%だけ請求する。
Cさんは課税事業者になろうとしているけど、登録完了まで免税事業者としているけど10%そのまま貰わないと困るから2%負担してね。
Dさんは免税事業者のままで、消費税も10%請求するし負担の2%くらいそっちで払ってね。
Eさんはインボイス登録も完了した課税事業者
といった5パターンくらいに分かれます。試しに施工費10万円とした時に登録完了までの間どうなるか図示してみようと思います。
弊社支払い消費税 | 職人が納める消費税 | 弊社が納める消費税 | 総額 | |
Aさん | 0円 | 0円 | 10000円 | 10000円 |
Bさん | 8000円 | 0円 | 2000円 | 10000円 |
Cさん | 10000円 | 0円 | 2000円 | 12000円 |
Dさん | 10000円 | 0円 | 2000円 | 12000円 |
Eさん | 10000円 | 10000円 | 0円 | 10000円 |
CさんDさん2000円余分に支払いが必要ですよね。
実際は免除があるから2%ですけれど、2000円の部分は本来10000円になります。さらにこれは施工費だけの話ですが、材料費などの購入もありますし、利益を乗せて売ることになるので実際の納税額はもっと高くなります。
【この仕入れはインボイス登録事業者】【この仕入れは免税事業者】【この仕入れはインボイス登録しようとしているけど今は免税事業者】など様々なパターンに分かれます。
職人さんは簡単そうに「2%くらい」と言いますが、経理業務上は2%以上の負担が重くのしかかります。実際1000万くらいの仕入れがあれば20万くらい変わってきます。その細かい経理作業を1人付けると人件費分くらい余裕で変わってきます。
インボイスが始まるからと言って人を増やすわけではないので経理業務を圧迫する事にもなりそう。
会社として統一した方針で運用する予定ですが、現状登録が間に合わないといった状況がある為、対応をどのようにしようかと苦慮しているところです。区分記載請求書はこの為に始めた制度だったのかな?
5年前から始まる事が分かっていたので今更あたふたして欲しく無かったですが、支払いが増えるのを嫌がる職人さんがいるのも仕方がないとこです。とはいえ「免税」事業者だったという事は「納めるべき税を免れていた」という事実もあるので、今まで儲かったでしょ?という部分も認めて動いて欲しいとこですね。
今回のインボイスによって廃業をしようと考えている職人さんもチラホラ耳にします。職人さんの数が減る事によって現場が回せなくなってくるので、将来的な事を考えると施工費の値上げに繋がってくると思います。
これからの世代に「単価アップ」という形で貢献できる点も考えると、ある程度の廃業もメリットとなる可能性もありますよね。
来月からどうなってくのかな~。
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