近年では、ホームセンターや家電量販店などのリフォームコーナーなどで「坪」や「㎡」、「帖」などの単位で平面的にサイズを見て金額が提示されています。
そういった事業者の中では建設業従事者でもない人が販売担当として就いている場合が多いため、誰が担当しても問題の無いように【〇〇の工事はパックで〇万円】といった形の価格設定がされています。
確かに販売員が誰であっても誤差が無い販売方法で無ければクレームの元にもなりますので基準を設けるのは理解できる部分もありますが、新築時、建設会社や間取りによって中の仕様が違ったりしますので、パックで同じ金額という事に違和感を感じます。
トイレの改修工事などは最たる例で、戸建て住宅の1階トイレの配置は階段のデッドスペースを最小限にする形で間取りされている場合が主流となっています。階段下を使っている場合と何でもない四角の場所とでは、平面的には同じ面積のように見えますけど変形している部分が継ぎ接ぎだらけにするわけにもいきませんので材料的なソツが全く変わってきますし、階段の段に合わせて施工となると施工の手間も全然違います。
そういった施工の手間が違っていても「この面積ならいくら」という設定されていると追加の料金ももらえず、まともな仕事が出来る職人さんが離れていき、通常では仕事の回らない職人さんが多く残って工事している現状があります。
石膏ボードを不必要なほど細切れにして工事したり、壁紙のジョイントを多く作らなければならないような仕上げ方になるのも、請負会社がそういった現場の状況に合わせた対応が出来ない為に発生していることがあります。
官公庁の標準施工単価も最低基準数量の記載がありますが、それ以下となっていてもその資料の単価を採用している会社があります。
物価が上がっている現状では金額が安ければいいというお客様がいるのも理解できますが、安ければその分仕上りが悪くなる可能性があるということも考えた上で発注する業者選定をする必要があると理解しておいてほしいですね。
建設業は、普段購入する機会のある商品以上に「人」という部分が大きく影響する産業です。トイレの便器や洗面化粧台のように機械で製造部分が多い商品は良いかもしれませんが、建物を作るのはほぼ人間です。
そういった事も踏まえて工事依頼してもらえた方がいいと思いました。
書きたい部分とだんだん脱線していったので、単位の話はまた別で。
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