ここ最近の流れに沿って、今日も「会社の事業改善案」について進めていきます。
大前提として、私はCADがほとんど使えません。
建設業にいながらそれでいいのか?という話はさておき、普段の仕事ではPDFで資料を送ってもらっても、得られる情報のかなりの部分は同じです。
むしろ私にとっては、操作感などを考えてもPDFで送ってもらった方が楽なくらい。
見るだけなら拡大・縮小も簡単ですし、印刷もできます。書き込もうと思えば書き込めます。
人間が見る分にはPDFってめちゃくちゃ便利なんですよね。
ところが――。
これをコンピューターに分析させようとすると、あら大変。
人間なら一瞬で分かるのに、コンピューターには分からない
添付した図面を見てもらえば分かると思います。

人間が見れば、
「これは建物の壁だな」
「こっちは寸法線」
「ここが柱の基準だな」
「この数字は部屋の寸法」
「こっちは図面の説明だから無視していい」
みたいなことを、ほとんど無意識に判断しています。
ところがコンピューターからすると、そんなことは知ったこっちゃありません。
線は線。
数字は数字。
極端に言えば、コンピューターの中では全部「0と1」で処理されているだけです。
人間には明らかに意味の違う線でも、コンピューターから見れば「そこに線がある」というところからスタートします。
「いや、見たら分かるじゃん!」
と言いたくなるんですけど、その「見たら分かる」をコンピューターに教えるのが、とんでもなく難しい。
もちろんAIに図面そのものを渡して、
「この図面の壁はどこ?」
「この寸法は何mm?」
「この部屋の形を読み取って」
と聞けば、ある程度判断してくれます。
でも、今回私が作ろうとしているものは、そこを目指しているわけではありません。
「AIを使える人」を増やすのではなく「誰でも使える仕組み」にしたい
私が会社の業務改善で目指しているのは、
「専門性が少なくても操作できる」
「AIなど特別なものが無くても使える」
「悩ましい操作をできるだけしなくていい」
という部分を最大化することです。
極端な目標を言えば、
「今日入社しました」という子にパソコンを渡して、要点をちょちょっと説明して操作してもらったら、仕事の7割くらいは完成している。
そんな環境を作りたい。
「AI使ったことありません」でもいい。
「普段パソコンなんてほとんど触りません」でもいい。
CADなんて当然使えなくていい。
それでも、図面を入れて何ヶ所か操作すれば必要な情報が出てくる。
そういう仕組みにしてしまえば、人間がシステムに合わせて勉強するのではなく、システムの方を人間に合わせることができます。
これが私の考える業務改善の一つの完成形です。
だから「AIに図面を読ませればいいじゃん」で終わらせたくないんですよね。
AIが無くても、手元にある普通のパソコンだけである程度完結する。
その仕組みを作ろうとしています。
ということで、パソコンにPDFの読み方を教えています!
現在やっていることをものすごく簡単に言うと、
「パソコンにPDF図面の読み方をめっちゃ教えています!」
という状態です。
添付した図面は、テストのために何度もコピーしたり、切ったり貼ったり、PDFに戻したりと加工しまくっているので、元の図面よりかなり線の判定が難しい状態になっています。
その図面から、
「建物の基準になりそうな線はこれ」
「柱や壁として考えられそうなのはここ」
「この線をなぞっていけば部屋の形になる」
というルールを少しずつ作っています。
そして現在は、図面から拾った形を私が以前作った床材割付ツールへ反映させるところまで、一応形になってきました。
上の画像がPDF図面から基準となる線を探しているところ。
下の画像が、そこから拾った形を床材割付ツールに持っていった状態です。
もちろん、まだ完成にはほど遠いです。
寸法の精度だったり、部屋の入口だったり、図面によって書き方が違った場合だったり……。
残っている問題点は山ほどあります。
それでも、**「簡単な操作でここまで持っていける仕組み」として考えれば、個人的には60点くらいまでは来たかな?**と思っています。

60点でも、実際に動くものがあるのは大きい
ここは最近、特に感じるところです。
頭の中だけで、
「あ~でもない」
「こ~でもない」
「こんな問題が出るかもしれない」
「この場合はどうしよう?」
と考えていても、なかなか未来は見えてきません。
でも60点でも50点でも、とりあえず動くものがあれば話が変わります。
実際の図面を入れてみる。
実際に操作してみる。
実際の仕事で使うことを想像してみる。
すると、
「ここは絶対直さないとダメだな」
という部分もあれば、
「ここは多少ズレても問題ないんじゃない?」
という部分も見えてきます。
実際、現時点で出ている数mm程度の誤差なら、床材の割付を考える用途としては実用的な範囲に入ってきています。
コンピューター上で完璧な図面を再現することが目的ではありません。
仕事で使えることが目的です。
100点になるまで使えない仕組みより、60点でも人間が少し補助すれば実務で使える仕組みの方が、業務改善としては価値がある場合もあります。
作ってみて分かった「人間の目」の凄さ
それにしても、今回やっていて妙に感心したのが人間の目です。
図面を見て、
「これは寸法」
「これは壁」
「これは柱」
「この線は関係ない」
と私たちは当たり前のように判断しています。
しかも、その判断に数秒もかかりません。
ところが、それをコンピューターにやらせようとすると、一つ一つルールにして教えなければならない。
「この線より、この線を優先して」
「このくらいの長さなら壁の可能性が高い」
「この位置にある線は寸法線かもしれない」
そんなことを延々と考えることになります。
AIに、
「基準の寸法になるところの壁を判断するようにして~」
なんてお願いするのは簡単です。
でも、それをAIがいなくても動く普通のプログラムとして成立させようとすると、一気に難しくなります。
普段何気なくやっている「見る」「判断する」という人間の能力って、相当優秀なんだなと改めて思いました。
そして最後は「人間が使いやすいか?」に戻ってくる
さらに面白いのが、コンピューターに人間のような判断をさせるだけでは終わらないところです。
最終的に操作するのは人間です。
となれば、
「このボタンはどこにあったら分かりやすい?」
「専門用語を知らない人でも意味が分かる?」
「間違った操作をしても戻せる?」
「何をすればいいのか画面を見ただけで分かる?」
というUIの問題まで出てきます。
コンピューターには人間の目を真似させながら、今度はそのコンピューターを人間が直感的に操作できるように作る。
考えてみると、なかなか面倒なことをやっています(笑)
でも、これから人手不足がさらに進んでいくことを考えれば、こういう仕組みは重要になってくるんじゃないかなと思っています。
経験者を探して採用する。
入社して何年もかけて仕事を覚えてもらう。
もちろん、それができるなら一番いい。
でも、それだけでは回らなくなる可能性もあります。
だったら、
「経験が少ない人でも、仕組みの力で早い段階から仕事ができる環境を作る」
という方向も考えておかなければなりません。
「明日、新しい人が入ってきても活躍できる会社」。
そこまで環境を整えられたら、かなり強い会社になると思うんですよね。
AIを使える人を採用するのではなく、CADを使える人を探すのでもなく、そういった専門知識が無くても仕事が進められる環境そのものを会社側が用意する。
そのために今は、パソコンに図面の読み方を一生懸命教えているところです。
……さて。
「明日、新しい人が来ても活躍できる環境」が完成するまで、あとどのくらい掛かるんだろな~?
まあ少なくとも、昨日よりはちょっと近づいているはずです。