現在沖縄付近にいる台風。明日から明後日にかけて日本の太平洋側を進み、進路次第では上陸する可能性もあると言われています。
建設業界では、こうした台風情報が出ると各現場で対策が始まります。
一般的な対策としては、
・外部に置いてある資材や備品を飛散しない場所へ移動する
・仮設足場のメッシュシートをたたみ、風圧を受けにくくする
・仮囲いや看板類を補強する
といったものが中心です。
私も今日は現場を回りながら各所の状況を確認していましたが、やはり現場を多く抱えている監督さんほど動きが早い印象を受けました。
一方で、比較的担当現場の少ない監督さんの中には、
「まだ風も吹いていないし、本当に来そうになったら対応すればいい」
という考え方の人もいます。
もちろん気持ちは分かります。
足場のシートをたためば、その後また復旧作業が必要になりますし、結局台風が逸れて何事もなければ余計な手間だったようにも感じます。
何も起こらなければ、その方が楽なのは事実でしょう。
しかし、現場を多く抱える監督さんはそうもいきません。
仮に担当現場が10件あれば、台風直前になってから全てを回ることは不可能です。
だからこそ余裕のある段階から順番に対応を進めていきます。
ここで意外と見落とされているのが、「現場の外から見ている人たちの存在」です。
建設現場というのは、近隣住民の方々から意外とよく見られています。
普段は気にしていなくても、「大型台風接近」というニュースが流れれば、
「あそこの現場は大丈夫かな?」
と自然と目が向きます。
そんな時に、既に足場シートがたたまれていたり、資材が整理されていたりすると、
「ちゃんと管理している現場なんだな」
という安心感につながります。
逆に、何も対策していないように見える現場は、
「本当に大丈夫なのかな」
「飛んできたら困るな」
という不安を与えてしまいます。
実際には裏で準備を進めているのかもしれません。
しかし見えている情報だけで判断されるのが現実です。
そして人は不安を感じると、その不安を記憶に残します。
結果として、
「何かあったら文句を言おう」
「この現場は少し心配だな」
という印象を持たれてしまうこともあります。
これは近隣住民だけではありません。
お施主さんも同じです。
工事中に何度も現場を見に来られる方であれば、
「早めに対策している」
「先を読んで動いている」
という部分を自然と見ています。
もちろん台風が逸れて被害が出なければ、どちらの監督さんも結果は同じです。
しかし周囲に与える印象は大きく違います。
そして、この印象の積み重ねが評価になります。
現場管理の仕事というのは、完成した建物だけで評価されるわけではありません。
日頃の段取り、近隣対応、安全管理、緊急時の行動。
そういった細かな部分を見ている人は意外と多いものです。
忙しい監督さんほど評価が高く、さらに仕事を任される。
逆に暇な監督さんはなかなか評価が上がらず、仕事も増えない。
その差は施工技術だけではなく、「周囲からどう見られているか」という部分にもあるように感じます。
台風対策一つ取っても、単なる災害対策ではありません。
将来の評価を作る行動でもあるのです。
人事評価というと資格や売上数字ばかりが注目されますが、本当に差が付くのはこうした日常の小さな判断なのかもしれませんね。