運動部の子を持つ保護者はますます大変になりそう

北越高校の男子ソフトテニス部の遠征中に発生したバス事故以降、このニュースが連日大きく報じられています。

多くの子供たちが犠牲となった痛ましい事故ですし、社会的な注目度が高くなるのは当然のことだと思います。
ただ、その一方で、この報道が大きくなればなるほど、今後別の形で困る人たちが増えていく未来も見えてきます。

私の学生時代。部活動の遠征というのは、もちろん各家庭の負担はありましたが、今と比べればかなり安価でした。
学校単位で観光バスをチャーターし、県外遠征へ行くというのも普通に行われていました。

しかし現在は事情がかなり違います。

観光バスを動かそうと思えば、移動距離によっては運転手2人体制が必要。
さらに労働時間規制、連続運転時間の制限、各種講習や資格更新など、制度面で求められるものも増えています。

もちろん安全のためには必要な部分です。

ただ、それらが積み重なった結果として、「安価に遠征を行う」ということ自体がかなり難しい時代になってきました。

私立の強豪校であれば、学校専属の運転手を契約し、自前の大型バスを持っているケースもあります。
ですが、公立校や一般的な部活動レベルの学校ではそうはいきません。

結局、外部のバス会社へ依頼するしかないわけですが、今回のような事故が起きれば当然安全基準はさらに厳しくなります。
すると運行コストはさらに上昇し、その負担はどこへ行くのかと言えば――最終的には保護者負担へ向かいます。

今回の報道を見ていて気になるのは、「レンタカー会社に責任がある」「学校側に問題がある」といった責任論ばかりが先行している点です。

もちろん原因究明は必要です。
しかし、今回の事故の運転手さんを始め多くは、「頑張っている子供たちを大会へ連れて行ってあげたい」という想いもあったのではないでしょうか。

結果として、今後最も怖いのは、
「学校は移動には関与しません。現地集合・現地解散にしてください」
という流れになることです。

そうなれば、本当に大変になるのは保護者です。

遠征のたびに、
「高額な費用を払ってチャーターバスを手配してもらう」のか、
「保護者が時間を使って送迎する」のか。

どちらにしても負担は大きくなります。

しかも、運転を引き受ける側も年々負担が増えています。

様々な講習や研修、安全管理義務。
責任だけが重くなれば、「そこまでして引き受けたくない」と考える人が増えるのも当然でしょう。

実際、私立のサッカー強豪校に子供を通わせている職人さんから聞いた話では、
「遠征費・寮費・道具代など含めると、部活関連だけで年間200万円を超える」
とのことでした。

これは正直、普通の家庭ではかなり厳しい金額です。

もちろん、「安全より優先されるものはない」というのは大前提です。
しかし、安全対策を積み重ねた結果、費用が上がり続け、競技を続けられる家庭が減ってしまえば、それはそれで将来的に大きな問題になります。

スポーツは、一部のお金持ちだけが出来るものでは本来ないはずです。

地方の公立校から全国レベルの選手が出てきたり、普通の家庭の子供が努力して活躍できたりすることも、日本のスポーツ文化の良さだったと思います。

ですが今後、
「遠征費が払えない」
「送迎が出来ない」
「保護者の負担が限界」
という理由で競技継続を断念するケースが増えれば、次世代の競技レベル低下にも繋がっていくでしょう。

最近は「独身税」などと言われることもある子供・子育て支援制度が話題になっています。

少子化対策として負担を分散し、子育て世代を支えるという考え方自体は、私は必要だと思っています。

であれば、こうした「未来への投資」に繋がる部分へも、もっと支援があって良いのではないでしょうか。

部活動というのは、単なる遊びではありません。

礼儀、人間関係、努力、上下関係、忍耐力。
社会に出てから必要になることを学ぶ場でもあります。

もちろんやり過ぎた部活文化には問題もありますが、だからといって「危ないから全部規制」「責任問題になるから関与しない」という方向ばかりに進めば、結局しわ寄せを受けるのは保護者と子供たちです。

一つの事故、一つの問題から、次の世代の環境そのものが変わっていく。

今回の報道を見ながら、そんなことを強く感じています。

投稿者: クロス

約20年のインテリア(内装工事)の実績から、住宅購入者のお悩み解決できたらいいなと思いサイトを立ち上げました。 これから住宅を購入検討されてる方へのアドバイスや、賃貸物件でのお役立ち情報も出せたらいいなと思っています。最近プライベートな記事も多いですが

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