現在の中東情勢に起因する原油関連の供給不安。
ガソリン価格だけでなく、建設業界の資材にもじわじわと影響が出始めています。
最近になって、業界内でちょっとした話題になっているのが
「また品薄が出てきたらしい」
という情報。
既に塗装業界では
シンナーが手に入りにくくなっている
という話が出ており、値上げや注文制限が始まっているという情報も耳にします。
そして、内装業界でもついに
ちょっと嫌なニュース
が流れてきました。
「3Mのダイノック用プライマーが入らない」
今回話題に上がっているのが
3Mのダイノック用プライマー
です。
ダイノックは、化粧シートの中でも
- 施工性が良い
- 仕上りが安定している
- 採用実績が多い
ということで、内装仕上げの現場では
ほぼ標準的な材料
と言ってもいいくらい使われている商品になります。
そのダイノック施工において、
実はかなり重要な役割を持っているのが
この「プライマー」です。
「貼れる」けど「持たない」
ダイノックは糊付きのシートなので、
理屈の上では
プライマーなしでも貼ることは出来ます
しかしこれはあくまで
「貼れる」だけ
です。
長期的な視点で見ると
- 剥がれやすくなる
- 端部が浮いてくる
- 施工保証が出来なくなる
といった問題が出てきます。
つまり現場的には
必須材料
なんですね。
この材料が入らないというのは
地味に見えて
実はかなり困る話です。
幸い、今すぐ困るわけではない
ただし現状としては
明日から施工が止まる
というレベルではありません。
職人さんというのは
基本的に
- 余分に持っている
- まとめて買っている
- 現場単位で在庫がある
という文化があります。
ですので当面は
なんとか回る
と思います。
しかし問題は別のところにあります。
「いつ入るか分からない」が一番怖い
一昨年、クロス糊が品薄になった時の原因は
比較的はっきりしていました。
硝酸製造工場の停止
これによって
原材料が作れない
→ 製品が作れない
という、分かりやすい構図でした。
今回のケースは少し違います。
原因は
原油由来
です。
つまり
- ナフサ価格
- 化学製品の供給
- 輸送コスト
- 生産計画
こういった複数の要素が絡むため
「次いつ入るか分からない」
という状態になりやすい。
これが一番厄介なんです。
転売ヤー歓喜?…とはならない理由
今回のタイトルで
少し煽り気味に
「転売ヤー歓喜?」
と書いてみましたが、
正直なところ
この商品は転売には向いていません。
理由はシンプルです。
理由①
買う人がほぼ職人しかいない
一般の人が
「ダイノック用プライマーください」
とはまず言いません。
理由②
使用量が少ない
1現場あたりの使用量はそこまで多くありません。
つまり
大量消費商品ではない
ということです。
理由③
残ったらただの在庫
例えば食品なら
最悪自分で食べられます。
先日話題になった
わさビーフの製造停止
の際には転売が横行したようですが、
仮に売れ残っても
食べれば終わり
です。
しかし
ダイノックプライマーの場合
残っても何にもならない
飲めない
食べられない
使い道がない
ただの在庫です。
転売ヤーより怖いのは「普通の不足」
むしろ現場的に怖いのは
転売ではありません。
普通に手に入らなくなること
です。
これまでの流れを見ても
- 塗料
- 断熱材
- 接着剤
- シート類
- 溶剤類
こういった材料は
原油由来
という共通点があります。
つまり今回の問題は
1商品だけで終わらない可能性
があるということです。
「必要な分だけ持つ」から「少し余分に持つ」へ
これまでの建設業では
- 必要な分だけ仕入れる
- 在庫は最小限
という考え方が基本でした。
しかし最近は
少し状況が変わってきています。
これから必要になるかもしれない考え方
- 消耗品は少し余分に持つ
- 代替品を把握しておく
- 供給情報を早めに掴む
- 現場単位での備蓄を考える
いわば
「在庫=リスク」
から
「在庫=保険」
へ。
この感覚の切り替えが
これからの現場では重要になるのかもしれません。
まとめ
今回の
ダイノック用プライマー不足
は、まだ小さな話かもしれません。
しかし現場感覚としては
「次は何が止まるのか」
という不安の方が大きい。
そしてこの流れは
おそらく一度では終わりません。
転売ヤーが歓喜するような商品ではないかもしれませんが、
現場で働く人間にとっては
静かに効いてくる問題
です。
念のため。
もし現場で使う予定がある材料があるなら
「必要な時に買う」ではなく
「必要になる前に少し持っておく」
そんな準備が
これからは大事になってくるかもしれませんね。