10月1日から閉鎖されたアメリカの政府機関ですが、3週間経っても終わりが見えてきません。
というよりは「閉鎖されていること自体」がほとんど報道されておらず、今どんな状況なのかさっぱりわからない、という方が正しいかもしれません。
日本のニュースで目にするのは「高市政権誕生」や「新体制の政策方針」といった国内の話題ばかり。
海外情勢に関する報道はほぼ途絶えています。
でも実は、アメリカで起こっている“政府機関閉鎖(Government Shutdown)”というのは世界経済にも直結するかなり大きな出来事なんです。
■なぜ政府機関が止まっているのか?
アメリカの政府機関閉鎖は、議会で予算案が可決されなかったことが原因です。
連邦政府の支出を決める法案が上下両院で折り合わず、政府が一部の機関への予算を執行できなくなりました。
これにより、統計局、国立公園、博物館、IRS(税務当局)などの業務がストップ。
一部の職員は「無給のまま勤務」、あるいは「一時的な自宅待機」という状況になっています。
問題はここからで、閉鎖が長期化するとアメリカ経済の“実態データ”そのものが途絶してしまうんです。
■経済指標が出ない=FRBも判断できない
私が特にビビっているのがこの部分。
政府機関が止まっているため、「雇用統計」「消費者物価指数(CPI)」「小売売上高」といった主要な経済指標の発表が相次いで延期されています。
つまり、FRB(米連邦準備制度理事会)も“景気の現状”を把握できないまま政策判断を迫られる状況。
年内にあと2回あるとされる利下げの予定も、根拠となるデータが無い以上、進めるに進められないわけです。
「経済指標が発表されない」というのは、市場にとって“視界ゼロの運転”みたいなもの。
どの方向に曲がるのか誰にも読めない状態です。
■「高市トレード」と「無風のアメリカ」
一方、日本では「高市トレード」と呼ばれる株高・円安の流れが続いています。
政権交代による期待感と政策方向性が明確なこともあり、相場的にはわかりやすい展開です。
ただし、その裏でアメリカの統計が出ないまま放置されているのは非常に不気味。
このまま沈黙が続いた後、突然「実は景気悪化が進んでました」とデータが出た場合、
一気に円高方向へ振れる可能性もありますし、逆に「めっちゃ好景気でした」と出た場合は、さらに円安が進む可能性もあります。
どちらにせよ、どちらかに大きく振れる。
それが今の怖いところです。
■ポジションを持つか、持たないか
株や為替をやっている人にとっては、こういう「不透明相場」は一番危険なタイミングです。
ポジションを取っていなければ他人事で済みますが、取った瞬間に逆方向へ一方通行の動きが出ることもあります。
そしてそれが「巻き戻し」の大波に飲まれると、あっという間に資金が溶けることも。
昔、株式投資で有名な桐谷さんも、バブル期に買った株が額面でプラスに戻るまで30年かかったという話があります。
投資というのは、最終的に戻ることもありますが、その“期間”に耐えられるかどうかがすべてです。
■360円時代を知る人、80円時代を知る人
沖縄返還の頃、1ドル=360円という固定相場の時代がありました。
そこから変動相場制になり、円高が進み、アベノミクス前には1ドル80円台という時代もありました。
たった数十年の間に、為替が何倍も動いたわけです。
「今後1ドルが200円を超える日が来るのか」
「再び100円を割る日が来るのか」
そのどちらもあり得るのが為替の世界。
だからこそ、“今は動かない勇気”も必要なのかもしれません。
■おとなしくしていたいけど、稼ぎたい衝動も…
本音を言えば、政府機関が再開するまでおとなしくしていたいところ。
でも実際には、相場が一方通行で動いていると「この流れに乗って小銭稼ぎしたい!」という誘惑が出てくるんですよね。
これがまた人間の性(さが)というやつです。
ただ、今は“データの空白期間”。
世界の誰もが手探りで動いている状況。
こんな時こそ冷静に見極めたいものです。
このまま閉鎖が長引けば、アメリカの政治リスクが再び世界を揺らすことになります。
「年末までに解決する」とは限らないだけに、相場を触る人も触らない人も、しばらくは慎重に見守る必要がありそうです。