4月2日にアメリカの関税発動から4月9日の関税の90日間停止が発表されて、最初こそこの後どうなるのか議論が高まっていました。
日本自体も早期に赤沢担当大臣を立て、いきなりトランプ大統領と会談するなど滑り出し良好という見通し報道が出た辺りから、「先行きは明るいという安堵感」みたいなものから報道は次第に縮小していったように思います。
しかし、そこからここまでの間。世界の各国はこの最初の決定の緩和の交渉をある程度済ませている国もある中、日本の交渉ってかなり行き詰まりを見せいているような状況に思います。
特に言われているのが、自動車に関する25%の関税は納得がいかない様です。
トランプさんからすると、日本製鉄のUSスチールの買収に応じたんだからそれ以上に何か見返りを出せと言わんばかりなのかと思います。
とはいえ、2024年の終わりからのアメリカ大統領選ムードの高まりと、トランプ前大統領の再登場により、状況は一変しています。
当初は「復活の可能性は低い」と見られていたにも関わらず、共和党内での支持は盤石。民主党政権の支持率の低下や、移民・インフレ問題の不安から「再びトランプへ」という流れが強まり、実際に年明け以降の州予備選でも優位な展開が続いています。
この中で、90日間の関税猶予措置が「ただの時間稼ぎ」に終わってしまう可能性が、日に日に高まっているのです。
自動車への25%関税が意味するインパクト
特に自動車への25%関税は、日本にとって大きなダメージとなり得ます。
・トヨタ、ホンダ、日産などの輸出台数のうち、北米向けは全体の2~3割を占める
・EVシフトが進む中で、アメリカ市場での競争力確保は最優先事項
・一部メーカーはメキシコ経由での生産・輸出に切り替える動きもあるが、コスト面での優位性が削がれる
これまでアメリカ市場に依存してきた日本車産業にとって、25%という数字は「即死」ではないまでも、確実に競争力を削ぎ、長期的には生産体制の見直しや国内雇用への波及が避けられません。
なぜ日本だけが出遅れているのか?
アメリカと交渉を行っている各国の状況を見てみましょう。
- 韓国:鉄鋼製品など一部分野で譲歩することで、関税の適用除外を勝ち取った
- EU諸国:EVや部品分野で一定の枠組みを提案し、条件付きで合意
- カナダ・メキシコ:USMCA(旧NAFTA)の枠内で調整済み
それに対して日本は、初動こそ早かったものの、その後の進展が乏しいように見えます。表向きには「粘り強く交渉中」とされていますが、実質的には行き詰まりが露呈しており、現段階でトランプ再登場となれば、交渉力はさらに削がれる恐れがあります。
赤沢大臣の訪米報道以降、具体的な成果の公表が無いという点も不安要素のひとつです。
トランプ氏の「ビジネスマン感覚」が交渉を難しくする
トランプ前大統領の姿勢は、国際協調よりも「ディール(取引)」です。
「これだけ譲歩したんだから、次はお前の番だろ?」
というのが、彼の交渉スタイルの基本線。
日本製鉄によるUSスチールの買収を「日米経済の友好の証」として好意的に受け止めた一方で、それに見合う譲歩が無いと判断されれば、むしろ苛烈な対応へと転じる可能性もあるのです。
これが「見返り要求」という形で、自動車関税の解除条件として突きつけられてくるのではないかという不安が拭えません。
報道が減っている今こそ、注意が必要
一時期は連日メディアでも大きく扱われていたこの問題ですが、現在は他の話題に押され、ほとんど報じられなくなっています。しかし、関税猶予の終了期限(7月8日)が迫る今、むしろここからが本番とも言えます。
このまま再交渉が不調に終われば、輸出依存度の高い日本の製造業は再び冷や水を浴びせられることになります。報道が無い=進展している、というわけでは決してなく、むしろ「進展していないから報じられない」のかもしれません。
最後に:何を注視すべきか?
これから1か月、注視すべきポイントは以下の通りです:
- トランプ氏側の発言(選挙演説内で「日本のせい」的言及があれば危険)
- 日本政府の次なる訪米・会談スケジュール
- アメリカ側の業界団体の圧力(全米自動車工業会など)
- 関税発動後の対応措置(除外対象の発表タイミング)
どれを取っても、のんびり構えていられる状況ではないことは間違いありません。