人から人へと伝える難しさ

明日3月11日は日本中・世界中を震撼させた東日本大震災の日となります。

先日、世界仰天ニュースで東日本大震災の際の東京電力福島第一原子力発電所の事故の特集をしていました。

当時の現場では不眠不休で頑張ってくれた吉田所長を筆頭に福島第一原発の職員さんのおかげで今の生活が出来ているのだなと改めて感じました。併せて人から人へと言葉や想いを伝えることが難しい事も感じました。

番組では、事故発生直後から現場と官邸との間に入る東京電力本店や原子力規制委員が変な汲み取り方をして連絡がきちんとできていませんでした。「原子炉に海水を注入しても大丈夫なんですか?」と聞いたら「官邸は海水注入には難色を示している」と解釈したり、「一部職員を退避させる」としたら「全員撤退」と報告が入ったり緊迫している場面とはいえ、言葉の解釈を間違って伝えるととんでもない方向に進んでしまう事があります。

この原発の話では現場で通達を無視して行動した結果として最悪の事態は回避できたと締めくくっていました。

もちろんその編集内容がすべてだとは思いませんし、脚色された部分も沢山あるでしょう。それでも命の危機が迫った現場での話に関しては信ぴょう性があるのかなと思いました。

さて、建設会社においても間に沢山の人を交えて連絡しなければいけない事という場面はあります。

住宅建設においては、【建築主】であるお客様の意向が最優先であり、それを汲み取りするのが担当の【建設会社の営業職員】となる場合が多いでしょう。それを【建設会社の現場担当職員】に伝達し【各下請け業者担当者】に伝えます。その下請け業者担当者が自身で工事をせず【現場職員】に伝える場合は建築主から現場で工事する職人さんまで3工程間に入っていることになります。

福島第一原発の例でいくと間に入る人の曲解によって意向が伝わらなかったように、住宅でも建築主の意向が曲解されると現場では想定していたような建物が出来ない事があります。

そういった意向の祖語が無いように【建築図面】を作りますが、それでも不明な部分というのは出てきます。

そこで必要なのがいつも言っていますが【報・連・相】です。

現場で起こった疑問点や課題点を下請け業者担当者に確認。聞いていない事であれば現場担当職員に確認。それでも分からなければ営業担当に確認。それでも把握していない事もあるのでお施主様に確認となります。

間の誰一人として知ったかぶりして確認せずに「〇〇でいいよ。」と指示してしまうと引き渡しの際に「何でこんなことになってる!?」とお施主様との関係悪化に繋がったり場合によっては受け取り拒否となってしまう事例も今まではありました。

どんなに安い新築住宅であっても1000万以上しますし、場合によっては億を超える家もあったりします。

そんな時にトラブルがあると建設会社もとてつもなく損害が発生します。

以前も書きましたが一つの建物を作る上ではたくさんの業者・作業員が必要となります。

現場作業員全員が100%の結果を出せればベストですが、現実的にはみんなが80%以上の出来を目指せるのが100点に近い建物となると考えるのが現実的です。

というのも、例えば大工さんがビスの1本の位置を寸分違わず打つことも難しいですし、壁紙のパテ処理を0.1mmもズレずに削る事も難しいです。基礎のコンクリートも若干はズレがあるでしょうし、断熱材もちょっとは曲がってたりするかもしれません。

それでも【欠陥】と言われるミスは除外した上で80%以上の完成度であれば許容範囲と言われるきちんとした住宅建設が出来たと捉えるべきでしょう。

そういった意味でもちゃんとした報告・連絡・相談をした上で欠陥と言われる重大ミスを最小限に抑え、現場の判断だけで進めず、きちんと連携をとれることでいい家を作っていきたいですね。

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投稿者: クロス

約20年のインテリア(内装工事)の実績から、住宅購入者のお悩み解決できたらいいなと思いサイトを立ち上げました。 これから住宅を購入検討されてる方へのアドバイスや、賃貸物件でのお役立ち情報も出せたらいいなと思っています。最近プライベートな記事も多いですが

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