毎年、年末になるとトイレの改修工事やお風呂の改修工事、リビングのクロスの貼り替え工事などが駆け込み需要のごとくたくさん入ってきます。
今年も例年と変わらず突然入ってきていまして、既に年内の工事を受け入れできないほどの件数になっています。
こういった改装工事に並行して新築住宅や大型の公共工事などの仕上げもあります。
工事が重なりすぎると、いつも頼む腕の確かな職人さん以外にも応援として頼まなくてはならない事も増えてくるので、正直言いましてあまり工事が集中してきてしまうとお客様に満足いただけるだけの品質確保が難しくなってしまう事があります。
これは壁紙などの内装仕上げ工事に限らず、間取り変更をする場合の大工さんなんかも一定の品質以下の職人さんが来てしまう事があります。
一般的に販売されている商品なんかは、どんな人が買っても・どんな人が使っても・どんな人でも同じ品質が担保されるのが一般的です。
しかし、建設業に限っては材料自体の品質が一定でも、工場で加工して出荷する製品と違い、現場加工となりますので、その作業をする職人さんそれぞれでの品質の差が出ます。
私のところでは品質に関わらず、各職方への工事代金は一律にしているので、総工事代金は変動が無いですが、出来る職人さんは損した形・出来ない職人さんは得した形と本来顧客の為を考えると良くない形になっています。
実際契約してもらうお客様との話をする中では、「良い職人さんには来て欲しいけど金額的に高くなってしまうなら安い職人さんの方がいいです」と言われる方が大半です。
そうすると、良い職人さんに高い金額で来てもらえる現場が少なくなってオフが多くなってしまい、結果的に良い職人さんの月収が少なく、微妙な職人さんの月収の方が高くなってしまうという逆転現象が起きてしまいます。
そういった事を踏まえて一律にしていますが、本当は良い職人さんにもっと工事費を払ってあげれるだけの環境をつくっていきたいと考えています。
工事費が一緒でも、外国の様にチップで成果に報いてあげれる形でもいいんでしょうけどね。
そういった意味で言えば、昔は建前(上棟)の際にはお客様からご祝儀という形で大工さんに金一封やお昼のお弁当の差し入れ等が当たり前の様にありました。現在ではどこの工務店も不要ですと謳っていますが、あれは良い家を作ってもらう為のお客様から大工さんへのチップだったのでは無いでしょうか?
最近では現場で工事する大工さんもお客様の顔が見えず、どんな人かもわからないからなのか気持ちが入っていない仕事をされている職人さんの方が増えてきた印象があります。その為に仕上げ工事に入った時にも収まりが悪く「これで引き渡しして大丈夫?」と心配になる物件もチラホラ。
いくら工務店が不要ですと言っていても、現場で働く職人さんに顔の見える形で建ててもらっている方が気持ちよく家を建ててもらえる事が多いですよ。
現場に来られる頻度が高い・休憩中にどうぞ!とコーヒーや茶菓子の差し入れがしてあるだけでも、職人さんと話をしていてもやる気が違って感じられます。
この辺りについてまた触れていきたいですが、その場で作業をしないといけない業種としては、双方が気持ちよく作業・受け取りできるように配慮が必要なのだろうなと感じる部分でした。


