2022年10月に値上げする商品は多数ありますが、その殆どが仕入れ価格の上昇だけで、世間から見ると値上げしたのかどうかわからない状況であったりする商品が多数です。
その中で、今回タチカワブラインドのカーテンレールの新カタログが届きました。

新カタログとは言ったものの、中身は価格部分の改定をしたものでその他は特段の変化はありません。
壁紙や床材のカタログは現物のちっさなサンプルを貼りつけてあったりするので、カタログ作成コストはカーテンレールのカタログとは比にならないくらい違いますが、それでも販売希望小売価格を変えてもらわない事にはただ単に工事店の利益を上げるために値上げしていると思われて困っている部分もあります。
むしろ新価格の提示が遅い事とカタログの定価が変わらないことによって、なかなか値上げが容認してもらいづらく、利益が下がっている現状があることをメーカー各社は意識してもらいたいと思っているところです。
昔の話にはなりますが、サンゲツがカーテンの定価部分を下げて仕入れ掛け率を上げるといった方法でカーテンのシェアを取れないか?といった戦法でカタログの商品価格を40%程度安くして販売していたことがあります。
当時としては、カーテンは大きく値下げして売るのが一般的という時代でもありましたので、同じような商品であっても価格が高く値引き率が大きい商品の方が良いものが安く買えるという印象を与える時期でもありました。
L社カーテンが定価10万円→値引後6万円
サンゲツカーテンが定価6万円→値引きなし
みたいな事が実際に起こっていました。商品自体は同じような物をチョイスしての価格の比較だったのですが、高いものの方が良いものの印象は大きかったのでしょうね。
結果として現在では定価水準を元に戻し、掛け率を下げる販売方法に戻ってしまいました。
なので、定価を上げればすべて解決!っと思いきやそうではなかった事例もあります。
リリカラのAAクラスの定価を1000円→1200円に変更するといった事もありました。
こちらに関しては業界で一番シェアのあるサンゲツが価格を変更に追随しなかった事、その他の他社も変えなかった事、仕入れ価格は同じであるということの周知が伴わなかった事、世間が今ほど値上げ値上げと騒ぐ時代ではなかった事など様々な要因がありました。
一番の失敗となってしまったのが、公共工事や大型現場の設計をする際に一社だけ定価が違うと、商品の価格帯が違う商品として取り扱われ、「そこまで高い商品を採用するつもりはない」という風潮になってしまい、採用されなくなってしまった事が原因で元の単価に戻す事になったようです。
こういった様々な過程もあり、定価を上げる設定は【ダメ】であるといった印象をつけてしまったことも昨今の定価を上げてというのを遠ざけてしまう要因になっているのでしょう。
かといって各メーカーがまとまって価格を決定しようとすると、今度は公正取引員会から「価格カルテル」を結んでいるというので取り締まりの対象になってしまうようです。独占禁止法違反と捉えられてしまいました。
当時は原材料価格や人件費・経費の上昇局面というよりも、消費増税の影響の方が強くある時期で、増税による消費減を補うために価格を吊り上げようとしたというところがあった為に違反となってしまいました。
今回の値上げは以前取り締まられた時と状況も違う為、価格の変更をしたところで取り締まられるような状況でもなく、他社と違う動きをしたところで大きな違いがある場面でもないように思います。ホントに取り締まりが心配であれば事前に公正取引委員会の方へ確認を取って価格変更すれば問題ないのではないかと考えるのですが、大手になるとそういうわけにもいかないのですかね?
っということで話は全然変わってしまいましたが、10月からタチカワブラインドさんも価格の変更があるということで、事前に見積りをしている現場等もあろうかと思いますし、これから見積りをする方も多くいると思いますので、値段変わりますのでご注意下さいという案内でした。


