こんばんは。私も以前所属していた「消防団」活動の現在の記事を見かけましたので、縁も所縁もありますのでちょっと気になり記事にしてみました。あっ、クロスです。
まずは見かけた記事です「消防団の操法大会は必要ない」元団員、消防団離れの原因か 全国で「不要論」がうねり↓
https://news.yahoo.co.jp/articles/b762c0b6e97c96c9b6668b4df334859e01029e88
◆実際中で動いていた者として確実に言えるのが現在の様式での操法大会は必要ないと思います。
活動の理念・方針としては、「火災発生から消防署員が現地に到着するまでの初期消火と署員到着後の消火補助」がメインの務めだったと思います。現在使われているこの方針が作られたのは遥か昔、戦前戦後とかではないでしょうか?
現代では移動手段の普及によって、火災発生時に自身が所属する地域コミュニティに団員がいない事も多く、火事場に最初に到着するのが高齢の近隣住民であり、次に来るのが消防署員、のちに消防団員といった状況です。
記事の中の消防団員の操法大会ですが、これは初期消火に重きを置いている上に器材を厳密に配置しており、実際の状況には「ありえない」ものを競い合う競技大会として実施しています。
実際に起こりうる事態を想定して訓練・大会するのであれば、会場に集合だけはさせておいて自由行動・時間や場所は内密に・消火活動に入るまでの時間を競うのであればまだ若干意味があると思います。
その中で不安全行動・不安全状態であるものを減点するなり、不正行為として取り扱うなり、如何に安全に・そして意味のある活動として存続できるかを考える必要があるのではないでしょうか。その上で現実に即した活動・訓練は必要であると思います。

◆年俸は2万円以下・活動は365日24時間の問題
消防団員は地方公務員の特別職員としての扱いで、年俸2万円弱・出動手当は最低賃金・火災などの呼び出しがあれば即時出動とブラック企業以上にブラックな扱いを受けています。火災の多くが深夜にありますが、深夜手当なども全くありません。火事場という危険を伴う場所にも関わらず危険手当もありません。
側面として、自身の所属するコミュニティのボランティア活動の一環としての消防団という意味合いも大きいでしょう。
水害による土嚢積みや、行方不明者の捜索なども勤めの一部として含まれます。東日本大震災の時には地域住民の避難を案内していた団員が津波の被害にあい亡くなられたといった話もあり、有事の際の頼り所としての消防団は期待されている部分もあると思います。
その意味も含めて団員には年俸・出動手当を増額しても良いのだろうなと、元団員の立場からは思いますし、十分に手当てが出れば復帰してもと思う部分もあります。
田舎に住んでいる職人さんに聞くと入らなかったらお前の家は消しに行かないよ?!とか地元に住めないようにするからなどと言った脅し半分、冗談半分みたいな勧誘もされているそうです。
これだけ世の中が自由だの多様化だのされた状況においては、いちボランティアとして無理強いするのではなく、いち職員としての取り扱いが存続のカギになるのではないでしょうか?
こういった意見は所管である総務省に届くことも無いのでしょうけれども・・・。

◆唯一のメリット?
消防団員となると、特別に傷害保険に加入してあります。
たしかこの傷害保険は消防活動以外の場面においても効力を発揮すると聞いた覚えがあり、疾病により入院などになった際には一助となると聞いていました。
現在がどのようになっているかはわかりませんが、なにかしらの手当があると思われます。
それと併せて退職金が出ます。掛け金の目安としては年2万程度でしょうか?分団長などの役職に就けばその金額はかなりアップしますが、役職をするほど勤めるのはかなり大変でしょうね。
無いものと思って活動していた後にこれをもらえるのはちょっとラッキーといった感覚になりました。子供が産まれる前から活動していた方は、子供が成人した際に車をプレゼントする財源として退職金を使われた方もいました。
臨時収入としての役割は大きそうですね。
◆これからを生きる人へ。
消防団活動は基本共助の精神に基づいています。火災や水害・行方不明などは自助だけでは賄えないので、ボランティアとしてでもみんなの力になっておくと、何かあった時には必ず周りの人が助けてくれます。
そういった人たちのいる社会へとなって欲しいです。
自身がよければすべて良し!そういった時代に向かっているからこその共助です。
古くからあるものを改良していくとともに、今に合わせた古くからある良きものを伝承していく精神がこれからの時代に必要なのではないでしょうか。

