値上げ情報を出してから早数カ月。やっと金額が届きましたが、私の会社では壁紙の材料の値上げは想定よりは小幅に収まることになりそうです。
床材に関してはもともと単価が高い商品である為、予定の値上げ率よりは低くても単価として高く感じやすいのでかなり上がった感があります。
◆問題は業界としての積算は単位が『㎡』であること。
石膏ボードや下地の材木などに関しては見えなくなるところなので小さく切った後の残りを継ぎ接ぎしながら使っても表面に見えない為『㎡』で計算してもさほどソツがでない使い方もできます。
【補足】ソツが出ないように小さく切った材料を使えば材料のロスは少ないし環境にも配慮することができますが、実際仕上げるにあたっては不要な継ぎ目が増える・家の動き方が変わるなど不具合も多々ある為、変な継ぎ足しは良くないです。
壁紙や床材の仕上げ工事に関してはそうはいきません。小さなソツが出てくることは多々ありますが、仕上げにそれをソツなく使うようにすると継ぎ目だらけになってしまいます。製品上継ぎ目が目立つことはよくありますが、それが必要以上にいっぱいあるとお客様への提供する品質にはならなくなってしまいます。
その為各材料に見合った材料の採寸が必要になります。その採寸した数量と『㎡』を照らし合わせると10%~20%程度の誤差が出ることもしばしばあります。
なので、『㎡』での見積りになるとそのソツも計算した上での単価となりますので、傍目には高いと捉えられることもありますが、そこを無理に値切ると小さい端材を使ってでもやらなければならなくなりかねません。
各製品に合わせた見積りに業界全体が切り替えなければ製品に質を維持するのが難しい時代に来ているのではないでしょうか?
一般的に壁紙であれば90cm巾(正確には92.5cm)、クッションフロアなどの床材は180cm巾(182cmですが、製品によっては200cmなど)など、各製品のカタログにある寸法を見極めた上、割付も想定しながらの積算をするということです。
部屋の形が四角であればソツは少ないですが、出たり入ったり、変形したり、最近の家で多いニッチなども増えた数量以上に必要材料費が上がってしまいますので、そこら辺を各工務店・装飾屋さんに相談される方が良いのではないでしょうか?
◆そして今回の材料より問題なのが工賃の値上げでしょうか。
弊社では工賃は【実際の施工の手間賃・糊・パテ・その他副資材の費用・現場までの交通費】を含む金額を工賃として出しています。
ですので、今回の材料の値上げで「糊・パテ・副資材」などは単純に値上げされているので上げないと職人さんの負担だけが増えてしまいますので上げ要因です。
交通費に関しても、よほど遠方にお願いして行ってもらう場合を除いては原則職人さんの工事範囲内でやってもらうようにしていますが、その中でも燃料費が上がっている為同じ金額内であれば行ける範囲が狭まる為やはり上げ要因です。
これらに合わせて物価上昇もしているので今のままでは生活が成り立たないということで単純に施工の手間の部分の単価も上げて欲しいと要望が来たため、今回の値上げで反映させなければならないということに弊社では決定になりました。
◆実際この値上げをしたところで私たちの側の利益が上がるわけではない状況なので、社員の給与的にはさほど影響がない、と言いますかむしろ上げれない金額になってしまうのですが、先程の職人さんの生活が成り立たない以上に社員の生活が成り立たなくなってしまいますので、そこも反映させていきたいというのが私の思いです。
しかしそこはお客様あっての仕事なので、材料・職人さんの事を理解してもらいつつ、うちの会社の事情も理解してもらい、お互いが納得できる金額のすり合わせをしていきたいと思います。
◆今後も値上がりが続いていくものと思われるのでお客様には一層のご理解を頂かなければなりませんが、よろしくお願いします。
中身についても今後詳しくかみ砕いて書いていきますのでよろしくお願いします。

