インボイスが始まるよと国税庁から発出があってから既に数年経っておりますが、未だに何のこと?って言われている職人さんがチラホラ見受けられますので、今日はインボイスについて記事にしてみたいと思います。
◆まず、インボイスとは何ぞ?という方に簡単に説明を。
私の解釈で簡単に書くと、ちゃんと消費税を納めてる業者ですよという証明の番号を取ってね、その請求書に番号添付してね、その番号の無い方の請求書が届いて消費税の請求があってもその人は消費税納めてないからその支払いする人が消費税納めてね。っという制度と解釈しています。
そしてそのインボイス制度の証明番号(適格請求書発行事業者)の登録が昨年10月より開始されております。
適格請求書発行事業者になる為に必要な事、一番は課税事業者になるっというと一番分かりやすいかもしれません。
現在職人さん(または個人事業)をされている方で、売上1000万を下回っている方は、消費税も利益のうち!という形で消費税の納税はされてない方が多数ではないかと思います。
この制度は消費税が導入された当初、売上や収入の小さな小売店や個人事業主に配慮し本来納税すべき消費税を、一定額以下の売上の事業者に対して納税しなくてよいという処置があった為です。
そして今回、その免除規定を撤廃して本来預かった消費税は、その事業者の責任においてきちんと納税してください。っという制度に、本来の消費税の制度に戻ったよって事です。

◆これからどうしたらいいのか?ですが、消費税を納税する事業者になる、消費税を受け取らなくて今のまま続ける、とどちらの選択でも大丈夫です。
どちらにもメリットデメリットあり、今後に分かりやすい図解を入れた詳細記事を作りたい(願望)ありますが、ここでは簡単に。
消費税を納税する事業者になると、これまで同様に直近上位の業者から消費税を受け取ることが可能で、デメリットとしては受け取った消費税を納税しなければならない。メリットとしては仕入税額控除が利用できるといった部分です。
消費税を納税しない選択をした場合はちょっと厄介で、メリット部分はこれまでと同様に消費税の納税は不要、確定申告の手続きも今まで通りになると思います。デメリットとしては、仕入税額控除が利用できない、直近上位の業者から消費税分の金額が受け取れない可能性。(受け取ろうと思ったら、消費税分が2重になっても仕事をお願いしたいだけの人間性であったり技術であったりを持ち合わせてないともらえない可能性が高いです)
◆消費税の仕組みをちょっと詳しく
今回は例えとして、住宅の購入に例えて、消費者・元請け・下請け・現場の職人さん・資材の仕入れ業者に出てもらいましょう。
新築住宅を購入するために消費者の方は4000万円(税別)の家を購入したとしましょう。消費税はこの時に400万円の消費税を払います。
元請け業者はその家を建てるために3000万円(税別)の原価が掛かったとしましょう。その為下請け業者に対して消費税分の300万円を支払いします。(計算を簡単にする為に下請け業者は30社、各100万円とします。)
元請け業者の消費税納税は400万ー300万=100万円分を納税します。
今回はそのうちの1社に注目。原材料費40万・職人さんへの支払い40万とします。
★ここで初めて個人事業主(職人さん)が出てきました。
ここまで出てきたのはほぼ課税事業者である為、今回のインボイスの影響がほとんどありませんでしたが、個人事業主の方が入ると2パターンに分かれてきます。
①職人さんが課税事業者の場合は40万の消費税4万と原材料費の40万に掛かる消費税4万の合わせて8万。下請け会社の消費税納税は10万ー8万=2万となります。
②職人さんは今まで通りの場合は40万の消費税4万を貰えるとしたら下請け会社の消費税納税は10万ー4万=6万となります。
あれ?消費税払ってるんだから10万ー8万=2万じゃないの?っとなるところなのですが、職人さんが納めて無いとなると、それは納めて無いから直近上位の業者から消費税を貰います!ということになり、今回の場合は下請け業者が4万円余分に支払いが必要ということになります。
そしてこの後の問題も。
消費税を納めて無い職人さんは、40万の売上に対して資材の購入や燃料などで5万の経費が掛かっているとしましょう。納めている職人さんはそのまま5万の消費税5000円は申告で入れれますが、納めて無い職人さんは入れれなくなってしまいます。最初に家を買ったお客様が消費税を納税しないのと同じ立ち位置になるイメージです。納めていない職人さんが最終消費者とみなされるという事です。
ここまでの下請け業者30社がすべて消費税を納税しない職人さんで同じようにやっていたとした場合4万×30社=120万が納税されず職人さんの懐に入っていたということになります。

◆各事業者が課税事業者であった場合、元請け100万・各下請け2万×30社・各職人さん4万×30人・各仕入れ業者4万×30社で、最初にお客様が払った400万円の消費税がきちんと納税されていることになります。
これを職人さんが払わない場合は、元請け100万・各下請け6万×30社・各職人さん0×30人・各仕入れ業者4万×30社で、400万の最初に受け取った消費税を納税してもらう仕組みに変わるという事です。
現実はもっと複雑で、多重下請け構造であったり、納める人と納めない人が分かれてきますし、各業種で金額の違いなんかもありますので、すべて理解するのは大変です。
今まではこのような形でかなりの消費税が納められていなかったものを、きちんと入るように変える制度という事ですね。本来は3%の時からやってないといけなかったのでしょうが・・・。
◆文字の羅列になるのでなかなかわかりにくいかと思いますので、YouTubeなどでは多数の税理士や会計士の方が動画をアップされていますので、そちらをご覧ください。
※解釈違いであったり、説明不足であったりの部分が多々あるとは思いますが、間違えの無いように注意しながら書いたつもりです。不備がございましたら申し訳ありません。
◆あとがき
このあたりを分かりやすくやろうと思ったら、やはり動画か本の方が分かりやすいんでしょうね・・・
あと1年半は猶予がありますので、現在納められている方は適格請求書発行事業者の登録を早めにしておいたら、まだの方は自身の方向性を早めに決断されるのが良いかと思います。後回しにしてるとすぐ期限がきちゃったり、間に合わなかったりしますよ~
